モルガン・スタンレーは今後数年間で小売メディア広告市場が大きく伸びると見ており、その市場のリーダーであるアマゾン・ドット・コム(AMZN)がその恩恵を受けると予想しています。
モルガン・スタンレーのアナリスト、マシュー・コスト氏は、中国を除く世界の小売メディア広告市場は、2022年に総額800億ドルに上ると見ていますが、この市場が2025年までに1300億ドルの規模にまで膨れ上がると予想しています。
広告主は、小売業者が保有する顧客データを活用することで、より良いコンバージョンを促進することができるため、小売業者にとってより多くの広告収入をもたらすことになると同氏は考えています。
コスト氏は、小売メディア広告市場は2022年から2025年にかけて毎年約17%増加し、最終的にはオンライン広告費全体の45%を占めるようになると予測しています。アマゾンは2022年に47%の市場シェアを獲得したこの分野のリーダーであるため、アマゾン株にとって追い風になるはずだと同氏は述べています。
「売業者の中でも、アマゾンやウォルマート(WMT)のような最大手は、大規模な顧客基盤とデータセットにより、小売メディア広告市場で成長するために最も適した立場にある。我々は、(アマゾンが)リーダーの地位を維持し、ここから広告事業の規模を拡大し続けると予想している。」と同氏は書いています。
小売メディア広告は、大きな利益を生むビジネスです。コスト氏によると、広告の収益性は、中核となるEコマースや実店舗での販売よりもはるかに高く、一般的な小売業者の営業利益率が1桁または2桁前半であるのに対し、広告の営業利益率は60%を超えているとのことです。
モルガン・スタンレーではコスト氏の同僚であるブライアン・ノワック氏がアマゾンを担当しており、格付けを「オーバーウエイト」、目標株価を現在の株価より46%高い150ドルとしています。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN