アップル 当面の間は増配と自社株買いを継続か

アップル(AAPL)は今月末に同社の第2四半期決算を発表する予定ですが、これまで続けてきた増配と自社株買いを継続することになるだろうと米国の経済誌バロンズの Eric J. Savitz記者が予想しています。

同社は過去10年間、配当を増やし続け、それに加えて過去5年間は自社株買いの形で株式数を減らし、積極的に現金を株主に還元してきました。

アップルは現在、1株当たり23セントの四半期配当を支払っており、その利回りは0.6%となっています。昨年は1セント、率にして5%弱の増配を行いましたが、その前の年は7%の増配でした。そうしたことから考えると、今年は2セント、率にして9%弱の増配が行われる可能性があるとSavitz記者は書いています。

より注目されるのは自社株買いの方で、財務的な影響が大きくなっています。昨年、アップルの取締役会は900億ドルの自社株買いを承認し、これは一昨年と同じでした。過去5年間を合わせると、同社は4,050億ドルの自社株買いを発表しており、2017年度末以降、株式分割調整ベースで47億株を買い戻し、株式数を23%減少させています。

2018年2月に行われたアップルの決算カンファレンスコールで、最高財務責任者のルカ・マエストリ氏は、同社が時間をかけてネットキャッシュ・ゼロポジションに到達する予定であることを発表しましたが、その時点で、同社の現金と有価証券は2,851億ドル、ネットキャッシュは1,630億ドルでした。

アップルは、グロスとネットの両方のキャッシュポジションを徐々に減らしながら、目標に向けてかなり前進しています。

昨年12月期末の時点で、アップルの現金および有価証券は1,650億ドル、ネットキャッシュは540億ドルとなっており、ネットキャッシュ・ゼロの目標に向けて1,090億ドルものネットキャッシュを削減しています。

アップルは大量の現金を生み出し続けており、直近の四半期の営業キャッシュフローは340億ドルでした。同社はこれまで大規模な買収を行うことがあまりなく、貸借対照表上に多くの現金が残り続けており、当面の間は、余剰資金の最も大きな用途が株主への還元という状態が続くとSavitz記者は予想しています。

「おそらくまだ2、3年先の話だろうが」としつつ、アップルがキャッシュ・ニュートラルな状態になった後、自社株買いのペースがどうなるかは興味深いというSavitz記者は、「間違いなくアップルは自社株買いを続けるだろうが、その時点でペースが落ち、最終的には株価に影響を与える可能性がある。」と予想しています。

*過去記事はこちら アップル AAPL

最新情報をチェックしよう!