これまでエヌビディア(NVDA)に対して慎重な見方をしていたモルガン・スタンレーが、最近の生成型AIの人気ぶりを考慮してその姿勢を変えました。
モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は3月17日、エヌビディアの格付けを「イコールウェイト(中立)」から「オーバーウェイト(買い)」に格上げしました。また、目標株価も255ドルから304ドルに引き上げており、3月16日の終値255.41ドルから19%の上昇の余地があることを示唆しています。
ムーア氏は顧客向けメモで、人工知能や大規模な言語モデルに対する熱狂は「短期的にも長期的にも強い支出に変わり、エヌビディアに利益をもたらす」と述べています。
同氏はこれまで、データセンターとゲームの動向を懸念してエヌビディアに対しては傍観者的な立場をとっていましたが、この両分野の不安材料は「ほぼ出尽くした」と判断しており、「傍観者であり続けるには物語が強すぎる」と生成型AIに対する人気の強さを考慮してエヌビディアに前向きな評価をするようになったそうです。
人工知能は「モバイルインターネットの発展以来、テクノロジーにおける最も重要な発展のひとつだ」とムーア氏は評価しており、クラウド・コンピューティング・サービスは、今後3年から5年の間に、AIの分野で主導権を争うことになるだろうと述べています。
「予算が圧迫されている中でも、クラウドへの支出がAIへ(そして我々の見解ではエヌビディアへ)大きくシフトしているのがわかる」と同氏はこの流れの中でエヌビディアが強い立場にあることを表現しています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA