アップスタート・ホールディングス(UPST)は2月14日の市場終了後に第4四半期決算を発表しました。
売上高は前年同期の3億500万ドルから1億4700万ドルと半分以下に減少しましたが、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想である1億3400万ドルを上回りました。
前年同期には5890万ドル(1株当たり61セント)の純利益を計上していましたが、第4四半期は5530万ドル(1株当たり67セント)の純損失となりました。
調整後ベースでは、前年同期の1株当たり89セントの利益に対し、25セントの損失となりました。アナリストのコンセンサス予想は、調整後の1株当たりの損失が47セントとなっており、損失が少なくなっています。
同社の融資パートナーは、第4四半期に154,478件、総額15億ドルのローンを実行しましたが、前年同期比では62%減となっています。
「過去1年間と1年前の見通しを振り返ると、マクロ経済の環境は我々の最も荒々しい弱気の予想を超えたと言ってよい。所得と消費パターンの変化が消費者の延滞に与える影響は、我々の予想以上に大きく、その結果、資金調達市場の縮小は急激なものとなった」と、最高財務責任者のサンジェイ・ダッタ氏は決算説明会で述べています。
ただ、同氏は「アップスタートを利用したローンの消費者の延滞に対するマクロの影響に関する内部指標は2023年の初期の数週間で安定化の心強い兆候を示した」とも述べ、悪い材料ばかりでなかったことも明らかにしています。
アップスタートは1月下旬、多くの貸し手や信用投資家がローン組成を大幅に縮小、または一時停止している状況の中で、スタッフの約20%を解雇する計画を発表しています。
アップスタートの共同創業者兼CEOのデイブ・ジルーアード氏は、経営陣の目標は「できるだけ早く黒字化すること」であると述べています。
第1四半期についてアップスタートの幹部は1億ドルという売上のガイダンスを示しましたが、アナリストのコンセンサス予想は1億5,860万ドルの売上を見込んでいました。また、調整後の利払い・税引き・減価償却前利益(Ebitda)ベースで4500万ドルの損失を見込んでいますが、コンセンサス予想では1320万ドルの損失とされていました。
ダッタ氏は決算説明会で、この見通しは「ローン価格設定におけるUMIの前倒し前提の引き上げ、第1四半期の伝統的な季節的逆風、年明けに経験した資金調達パートナーのさらなる引き締め、新規ローンの資金源としての自社バランスシートの取り崩しを反映している」と説明しています。
*UMIとは、マクロ経済の変化が信用パフォーマンスにどのような影響を与えるかを測定する同社の指標
バークレイズのアナリスト、ラムゼイ・エル・アサル氏は電話会議の後、アップスタートが収益性重視とバランスシート融資を制限する計画についてコメントしたことはプラス材料だが、同社はまだ(将来が)明確な状況にはないと書いています。
「値上げが可能であることは、今年の初めにUPSTの収益に貢献したが、現在、同社がさらに値上げを行う余地は少なくなっているように思われる」と同氏は見ています。
米国みずほ証券のダン・ドレブ氏は、「弱いガイダンスは参考にならないが、ガイダンスが低ければ、それを上回る結果が出ることへの期待に火がつくかもしれないので、株価の反応はまちまちだろう」と書いています。
アップスタートの株価は、第4四半期に予想より少ない損失を計上し、売上の予想を上回ったものの、アナリストが予想していたものよりはるかに弱い見通しを示したため、14日の時間外取引で約4%下落しています。
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