先週は低調な1週間でした。ダウ平均は0.2%、S&P500種指数が1.1%、ナスダックが2.4%下落と主要な指標はどれも冴えませんでした。
しかし、ナスダックが2001年以来最高の年初来高値を記録した後では、2月の最初の取引日まで続いた1月の猛烈なペースがいつまでも続くわけがなく、特に大きなニュースがなかった先週が下げてしまったのも無理はないかもしれません。
その下げを助長したのが、冴えない決算報告が続いたことです。これまでにS&P500企業の3分の2以上が第4四半期決算を発表しましたが、リフィニティブによると業績予想を上回ったのはわずか69%で、過去4四半期の平均76%を下回っており、その上振れ率も平均1.6%と同期間の一般的な上振れ率である5.3%を下回っているそうです。
クレディ・スイスによれば、1株当たり利益は前年同期比1.4%減となり、2020年第3四半期以来の四半期ベースの落ち込みとなるそうです。
また、今後の見通しについても冴えません。クレディ・スイスによると、今年に入ってから、S&P500企業の第1四半期のコンセンサス予想は、過去の平均2.6%減に対し、4.5%減となっているそうです。
コンファレンスボードの企業経営信頼度調査やISM製造業収縮率の下降基調を考えると、これらの業績予想は下がり続けるはずだと、Gavekal ResearchのTan Kai Xian氏は指摘しています。「企業業績がさらに悪化すれば、米景気循環株のアウトパフォームは長続きしないだろう」と同氏は書き、投資家は2023年のリスク資産の早期上昇を利用して、ディフェンシブ銘柄に回帰するよう提案しています。
一部のリスク資産はすでに下がりはじめています。ビットコインは先週、11月以来最悪の3日続落を記録し、組入上位銘柄の1位と2位がエヌビディア(NVDA)とメタ・プラットフォームズ(META)であるインベスコ S&P 500 ハイ・ベータ ETF (SPHB))は 1.6% 下落しました。
コカコーラ (KO)やクラフト・ハインツ (KHC)など、消費財メーカーが決算を迎える今週は、ディフェンシブ銘柄の価値を証明するチャンスとなりそうです。また、これから続く中小規模のハイテク企業の決算発表の内容がさらに悪化した場合、安全資産であるディフェンシブ銘柄へのシフトを加速させる可能性があります。