アップル(AAPL)は2月2日のマーケット終了後に同社の第1四半期、2022年10~12月期決算を発表しました。
第1四半期の売上は、前年同期比5%減の1,172億ドルで、アナリストのコンセンサス予想である1,217億ドルに届きませんでした。利益は1株当たり1.88ドルで、こちらもコンセンサス予想の1.95ドルを下回り、1年前の1株当たり2.10ドルからも減少しています。
ティム・クックCEOはアナリストとの電話会議で、当四半期の売上高は為替の逆風により約8ポイント減少し、その結果、恒常為替レートベースでは前年同期比で売上高が増加したと述べました。また、昨年11月に開示したように、iPhone 14 ProおよびPro Maxの中国での生産問題が業績に影響を与えたと述べています。そして、アップルは現在の厳しい経済状況と「無縁ではない」と述べています。
第1四半期のiPhoneの売上高は658億ドルで、前年同期比8%減となり、コンセンサス予想の683億ドルを下回りました。ウォール街では、この未達が中国関連の生産問題によるものなのか、それとも個人消費の低迷の影響が現れているのかが議論されると思われます。
クックCEOは電話会見で、中国での生産問題がなければiPhoneの売上は前年同期比で伸びたとみていると述べています。
Macの売上は77億ドルで、29%減少し、コンセンサス予想である93億ドルから大きく外れています。ウェアラブル、ホーム、アクセサリーの売上は8.3%減の135億ドルで、コンセンサス予想の152億ドルをこちらも下回りました。
一方、iPadの売上は94億ドルで、29.6%増加し、コンセンサス予想の79億ドルを上回りました。サービス収入は208億ドルで、6.4%増加し、コンセンサス予想の205億ドルを少し上回っています。
地域別の売上高は、米国で4.3%減、欧州で7%減、中華圏で7.3%減となり、全地域で減収となりました。
当四半期の売上総利益率は43%で、前年同期の43.8%から低下しています。
アップルによると、第1四半期に190億ドルの自社株買いを行い、540億ドルの純現金を保有して同四半期を終えたということです。
ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は現在の環境についていくつかの解説を行なっています。
同氏は、3月期の総売上高成長率は12月期と同程度になるとしながらも、為替によって売上高が約5ポイント減少すると述べました。サービスは前年同期比で成長するものの、マクロ環境による広告とゲームからの逆風があるとのことです。
同氏はまた、MacとiPadの売上は、ともに前年同期比で2桁の減少となると述べた一方で、iPhoneの売上は、12月期から加速するはずだと述べています。そして、第4四半期の売上総利益率については43.5%〜44.5%になるだろうと見込んでいます。
クックCEOは、アップルのインストールベースが20億台以上のアクティブデバイスに達し、前年同期比で1億5千万台以上増加したことを明らかにしました。また、同社が提供するサービス全体の有料会員数は現在9億3500万人以上であるとのことです。
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