安定した配当と成長性が魅力的なREIT、デジタル・リアルティ・トラスト

  • 2023年1月17日
  • 2023年1月17日
  • BS余話

デジタル・リアルティ・トラスト(DLR)はデータセンターを所有・運営する不動産投資信託(REIT)として事業を展開しています。

REITは通常ハイテク関連に分類されることはあまりありませんが、デジタル・リアルティはそんな数少ないハイテク関連REITのひとつです。

データセンターは、不動産の観点からはユニークな存在です。物理的なセキュリティ、信頼性の高い空調設備、堅牢な電気系統、そしていつでもデータにアクセスできる高度な接続性が要求されるからです。

投資家は、これらの建物をデータセンターREITと呼ばれるカテゴリーに分類しています。アライド・マーケット・リサーチ社は、2030年までのデータセンター業界の年間平均成長率を11%と予測しており、データセンター建設ブームが何年にもわたって続くと予想されます。

データセンターREITの中でも際立っているのがデジタル・リアルティ・トラストです。世界のおよそ300カ所でデータセンターを所有・運営し、5大陸にまたがる賃貸可能面積は、3,500万平方フィートを超えています。そして、ベライゾンや IBM といった顧客を含む 4,300 以上の顧客をサポートしています。

さらに、現在の一時的な成長の低迷と株式市場の急落が、デジタル・リアルティを魅力的な存在にしています。2022 年第 1~3 四半期の 35 億ドルの売上は、2021 年の同時期と比較してわずか 4%上昇しただけでした。REIT のフリーキャッシュフローの指標である調整後営業利益(AFFO)は、経費が増加する中、2%減の 14 億ドル弱にとどまりました。

ただ、こうした状況にあってもデジタル・リアルティはこの期間に 10 億ドル強の配当経費をまかなうことができま した。この配当は、株主に毎年一株あたり 4.88 ドルを支払い、4.6%のキャッシュ・リターンとなります。また、2004 年に最初の配当金を支払って以来、配当金は毎年上昇しており、さらなる年間増配が期 待されます。

この1年間で株価は30%以上も下落しました。その結果、現在はAFFO 利益の約 17 倍で取引されており、割安でこのREITを購入することができる機会を与えてくれています。安定した配当をもたらしつつ成長性も兼ね添えているデジタル・リアルティは非常に魅力的です。

REITは、投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当します。経済情勢にあまり影響を受けることのないREITは、少しでもリスクを分散したい投資家にとってはうってつけであり、ポートフォリオにぜひ加えておきたい商品です。

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