エヌビディア ヘルスケア用途が年間10億ドルの市場に

先週開催されたJ.P.モルガン・ヘルスケア・コンファレンスに多数の多数の医薬品・デバイス企業、バイオテクノロジー企業に混ざって、半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)が登場しました。

エヌビディアのヘルスケア担当副社長であるキンバリー・パウエル氏は1月12日に講演を行いました。放射線システムと外科用ロボットから始まった同社のヘルスケア用途の売上は現在、この2つの分野の売上が80%を占めている一方、創薬とゲノム発見へのAIアプローチ用途の売上が残りの20%を占めるまでに至っていることを同氏は明らかにしています。

エヌビディアはこれらすべての医療用途に専用のソフトウェアとサービスを提供していますが、創薬とゲノム発見へのAIアプローチ用途の売上は増加しており、50%を占めるまでになることが予想されるとパウエル氏は述べています。

大学や製薬大手、バイオテックにはAIセンターがあり、エヌビディアの技術を使って新薬のスクリーニングやコビット19ウイルスの変異を予測することができます。2022年、研究者はエヌビディアを搭載したシステムを使って、その基礎となる遺伝子のレシピを知るだけで、タンパク質の折り畳みを予測できるようになりました。

エヌビディアの顧客には、MITとハーバードのブロード・インスティチュート、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)、イルミナ(ILMIN)など、主要研究企業のほとんどが名を連ねています。

パウエル氏は、イルミナ、パシフィック・バイオサイエンス・オブ・カリフォルニア(PACB)、シンギュラー・ゲノミクス・システムズ(OMIC)、オックスフォード・ナノポア・テクノロジーズ(ONT )などが開発した新しい遺伝子配列解読システムによって、1人の人間の完全なDNAゲノムを読み取るコストが、これまでの1000ドルを超えるコストから数百ドルにまで下がったため、エヌビディア搭載コンピュータに対する需要は最近変局点を超えたと述べています。

「昨年の最後の3ヶ月間で、爆発的に重要な仕事が行われました。ヘルスケアは、絶対的に最大のデータ生成産業となりつつあります」と同氏は発言しています。

J.P.モルガンの半導体アナリスト、ハーラン・スール氏は、この12日のプレゼンテーションについてのメモの中で、ヘルスケアは、エヌビディアにとって年間10億ドル市場になる可能性があると書いています。

クラウドコンピューティングや自動運転車といったこれまでの市場にこのヘルスケア用途が加わることで、同社がこれまで抱えてきたパーソナル・コンピュータ・グラフィックスのサイクルに翻弄される脆弱性を克服するのにつながるとして、スール氏は同社を「オーバーウェイト」と格付けする理由のひとつにあげています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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