2022年の厳しい状況を受け、ウォール街は状況が大きく好転することは期待していません。多くのアナリストは2023年のいずれかに景気後退が起こると予想しています。
このような状況に対処するため、「回復力」と「耐久力」で知られるセクターは引き続き投資家を惹きつけ、かつて「成長性」と「話題性」でもてはやされたセクターは今年も敬遠されると思われます。
具体的に言えば、ビッグ・テックと消費者向け裁量品関連株を外す一方、エネルギー、消費財、ヘルスケアに引き続き資金を投入することで、投資家は来るべき嵐を乗り切ろうすると見られます。
「我々は、人々が消費せずにはいられないような分野を探している」というウェルズ・ファーゴのアナリストの言葉がまさに今の投資家姿勢を端的に表しています。
そんな景気後退にも耐えられると予想されるセクターの現状は以下の通りです。
エネルギー
S&P500が昨年20%近く下落したのに対し、エネルギーセクターは扱うETFはほとんど下落しませんでした。2023年もそれを再現できないかもしれないが、このセクターには有利に働くことがたくさんあると考えられています。
中国はコロナ対策のための長い経済封鎖の後、突然経済再開に踏み切ったため、需要が増加しており、そのエネルギー企業は2015-16年時よりもはるかに健全な状態にあるように見えます。
原油価格は現在1バレル70ドルを大きく上回っていますが、ほとんどの企業は1バレル50ドルでも利益を確保できると考えられています。
不況で石油やガスの使用が減るという懸念から、12月に4.5%下落しましたが、車で旅行に行かなくても、米国のほとんどの人は仕事に行くのに車を使う必要があります。
多くのエネルギー関連銘柄はまだ割安に見えます。エクソンモービル(XOM )は将来利益の9.7倍、シェブロン (CVX))は10.8倍で取引されており、いずれも過去の平均を大きく下回っています。
「米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めとインフレ抑制のために続けている取り組みによって、市場の他のセクターが打撃を受けたとしても、このセクターは好調に推移するだろう」とベアードのマーケット・ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は述べています。
消費財
厳しい経済情勢の中、プロクター&ギャンブル(PG )、コカコーラ(KO)、ペプシコ (PEP)など、このセクターの主要銘柄は歴史的な株価収益倍率を上回る水準で取引されています。
しかし、ウォルフ・リサーチのチーフ投資ストラテジスト、クリス・セニェック氏は「多くの人が高価だと思っているが、嵐が来れば、人々は弾力的な収益にお金を払うだろう」と述べ、2023年もこのセクターに強気です。
ヘルスケア
ヘルスケアは、現在、多くのストラテジストのリストの上位を占める人気セクターです。
セニェック氏のお気に入りのサブセクターは医薬品で、共和党主導の下院で規制が可決される可能性は低く、薬価に追い風が吹く可能性があると見ています。
世界はコロナ禍からほぼ回復していますが、Covid-19、呼吸器合胞体ウイルス(RSウィルス)、インフルエンザなどは依然流行しており、人々はまだ治療を必要としています。ヘルスケアは、「防御と合理的な評価のベストコンボ」を提供すると、セニェック氏は考えています。
末筆となりましたが、2023年も引き続きよろしくお願いします。
今年が皆様にとって幸多き年でありますように。