ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ(BRK/A, BRK/B)が日本の商社5社の株式を6.2%から6.8%保有していることが明らかになりました。
バークシャーのここ数年の大きな投資成果の一つは、日本の商社5社への投資であり、約62億ドルの初期投資に対して現在約40億ドルの利益をあげていると推定されています。
バークシャーの米完全子会社ナショナル・インデムニティー・カンパニーが関東財務局に11月21日に提出した変更報告書で明らかになったもので、5商社の発行済み株式数に占める保有割合は、11月14日時点で従来の比率から以下のように増えています。
・三菱商事 5.04%→ 6.59%
・三井物産 5.03%→ 6.62%
・伊藤忠商事 5.02%→ 6.21%
・丸紅 5.06%→ 6.75%
・住友商事 5.04%→ 6.57%
バークシャーが2020年8月末に各5%の株式を購入したことを明らかにして以来、5社の株価は円換算で50~130%上昇しています。
その後、ドルが35%上昇したことを考えると、ドル建てでは利益はかなり少なくなります。2020年8月の105円に対して、現在の1ドルは142円程度で取引されています。
しかし、バークシャーは約60億ドルの円建て債券を発行して円高をヘッジしており、円相場の恩恵をフルに受けることができています。バークシャーは、投資当時、この借入金による為替エクスポージャーは「わずか」であると述べていましたが、その借入金の価値は、過去2年間で約16億ドルも下落しています。
その結果、バークシャーは現在、最初の投資で約40億ドルの利益を上げていると見られます。バロンズ誌は、ヘッジの利益を含め、現在の利益の総額は103億ドルになっており、上昇率は166%になると推定しています。
この投資とバークシャーの通貨エクスポージャーをヘッジするための抜け目のない動きは、おそらくウォーレン・バフェットCEO自身によって計画されたもので、彼の並外れた投資の才能を反映したものだとバロンズ誌は評価しています。
投資が最初に行われた当時、商社は人気がなく、簿価を下回り、株価収益率も一桁台で取引されていました。バフェット氏は当時、バークシャーはこの投資を「長期的に」保有するつもりであると述べ、「バークシャー・ハザウェイが、日本の将来と、今回選んだ5社に投資できることをうれしく思う。5大商社は世界中で多くのジョイントベンチャーを展開しており、今後もこのような提携が増えるだろう。将来、相互に利益をもたらすような機会があることを期待している」との声明を発表していました。