クアルコム 12月期の見通しが予想を大きく下回り8%下落

11月2日に9月期決算を発表したクアルコム(QCOM)。売上高は114億ドルで調整後1株利益は3.13ドルと発表し、アナリストのコンセンサス予想の売上高113億2,000万ドル、1株利益3.13ドルをわずかに上回りました。

ただ、失望を招いたのは同社が示した12月期のガイダンスでした。12月期の売上高の見通しのレンジを92億ドル〜100億ドルとし、コンセンサス予想の120億2000万ドルを大幅に下回る結果となりました。

このガイダンスが失望を招き、11月3日の終値は7.66%安の103.88ドルと株価は大きく下落しています。

投資家およびアナリストとの電話会議で、クアルコムの幹部は、3か月前の前回の報告以降、需要が大きく悪化していると述べました。また、市場で高騰している在庫を引き下げるには、2四半期かかるかもしれないと述べています。

明るい面としては、同社はアップル(AAPL)の2023年のiPhone発売に向けて5Gモデム事業の「大部分」を獲得できると予想しており、これは事前の想定である20%程度を上回るものになると見られています。

四半期決算の発表を受け、バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、「市場の低迷、さらには在庫調整の可能性は、まったく予想外ではなかっただろう」としながら、「その規模は、おそらく一部の人が考えていたよりも悪い(ただし、これはクアルコムに限った話ではなく、事実上すべてのハンドセットに関連するプレイヤーが同様の動きを見せている)」と書いています。

同氏は、目標株価を165ドルから140ドルに引き下げる一方で、クアルコムが少なくとも次のiPhoneサイクルまでアップル事業を維持することを示唆する幹部のコメントを取り上げ、アップルが自社でワイヤレス部品を製造しようとする動きがある時だけに注目されるとしています。

ファクトセットの調べでは、今回の決算報告を受け、クアルコムを担当するアナリストの半数以上が目標株価を引き下げたそうです。

エバコアISIのアナリスト、C.J.Muse氏は、目標株価を130ドルから120ドルに引き下げ、格付けは「インライン」を維持するとしました。前四半期と同様にクアルコムの失敗を覚悟していたものの、実際の結果は予想よりもはるかに悪かったと書いています。

「バイサイドは明らかにミスを想定していたが、12月期の規模は明らかに予想よりはるかに悪く、売上/EPSはコンセンサスを20%〜32%下回る見通しだ」と同氏は述べています。

*過去記事「クアルコム 自動車向け製品のパイプラインが300億ドルに達したと発表

最新情報をチェックしよう!