マイクロソフト 業績は予想を上回るも、厳しいガイダンスを示したことで株価が急落

マイクロソフト(MSFT)は10月25日、同社の第1四半期決算、2022年7~9月期の決算を発表しました。

同四半期の売上高は、11%増の501億ドル(為替調整後では16%増)で、アナリストのコンセンサス予想の497億ドルを上回りました。利益は1株当たり2.35ドルで、こちらもコンセンサス予想の2.31ドルを4セント上回 りました。

しかし、12月期の売上高ガイダンスは524億ドル〜534億ドルとなり、アナリストのコンセンサスである561億ドルを大きく下回り、WindowsとAzureの両方を含むすべてのセグメントで予想を下回る内容となっています。

同社が最も力を入れているクラウド分野の成長は、わずかに期待外れとなりました。Azureを含むインテリジェントクラウド・セグメントの売上高は203億ドルで、20%増、恒常為替レートベースでは26%増となりましたが、これは、アナリストが予想していた204億ドルをわずかに下回り、ガイダンスの範囲である203億ドル〜206億ドルの下限にようやく入る数字でした。

Azureの売上高は35%増で、アナリストの予想を2ポイント下回り、6月期の40%増から減少しました。この結果は、同社のクラウド事業が景気後退の影響を全く受けないわけではないことの明確な証拠と言えそうです。マイクロソフトによると、同四半期のクラウド全体の売上高は257億ドルで、24%増、為替変動の影響を除いた場合は31%増となりました。

もうひとつ、株価の重石となりそうな数字が、コマーシャルベースの予約で、報告時点では3%減だったものの、恒常通貨ベースでは16%増となっています。これは、前期である6月期から大幅に減少しています。6月期には、コマーシャルベースの予約は25%、恒常通貨ベースでは35%の増加でした。

Officeやその他のソフトウェアを含む「生産性・ビジネスプロセス」部門の売上は、9%増の165億ドル、恒常為替レートでは15%増で、アナリストのコンセンサス予想である161億ドル、およびガイダンスである159億5000万ドル~162億5000万ドルを大きく上回りました。

Windows、Surface、Xbox、Bingなどを含む「モア・パーソナル・コンピューティング」セグメントについては、売上高は133億ドルで、131億ドルというアナリストのコンセンサス予想とほぼ一致し、130億ドル〜134億ドルのガイダンス範囲内、前年同期比でわずかに減少したものの、為替変動の影響を除くと3%増となりました。

WindowsのOEM収入は、パソコン市場の急激な減速を反映し、前年同期比15%減少しました。検索連動型広告およびニュース関連広告の売上は、Bing での検索トラフィックの増加により、前年同期比 16%増、為替変動の影響を除くと 21%増となりました。Xboxハードウェアの売上は13%増加しました。Xboxのコンテンツおよびサービスの売上は3%減少しましたが、為替変動の影響を除いた場合は1%増加しています。

また、マイクロソフトは、当四半期に46億ドルの自社株買いを行ったことも発表しています。

12月期の部門別の見込みについては、生産性・ビジネスプロセス部門の売上高が恒常為替レートベースで11%〜13%伸び、166億ドル〜169億ドルになると見ており、アナリストのコンセンサス予想の172億ドルを下回ります。

インテリジェントクラウドについては、恒常為替レートベースで22%〜24%の増収、212億5000万ドル〜215億5000万ドルの範囲と見ており、コンセンサス予想の218億ドルを下回ると見ています。なお、Azureの恒常通貨建て成長率は前四半期比で5%ポイント低下すると見ています。

パーソナルコンピューティングについては、パソコン市場の急落を受け、売上高はコンセンサス予想の169億ドルを大幅に下回る145億ドル〜149億ドルになると見ています。Windows OEMの売上は30%台後半に落ち込むと予想しています。

同社は2022年6月期の決算発表で、2023年度には売上高、営業利益ともに2桁成長を見込んでいると述べましたが、今回の決算発表後の投資家向け電話会議でもこの見通しを繰り返しています。

マイクロソフトの株価は、決算発表直後のアフターマーケットで当初は小幅に下落していましたが、その後、同社が電話会議で6%以上の減少を示すガイダンスを提示すると、下げが加速しました。10月25日、米国東部夏時間8:00PMの段階では、6.71%安の233.85ドルで取引されています。

*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT

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