エヌビディア 対中輸出制限に伴う売りは過剰反応とアナリストが指摘

米国政府がロシアと中国への先端半導体販売に新たなライセンス要件を課したことを明らかにしたことでエヌビディア(NVDA)の株価は9月1日、8%近く下落しましたが、ジェフリーズのアナリストは、これは「過剰反応」かもしれないと述べています。

アナリストのMark Lipacis氏は、「我々は、昨日の8%の株価下落を過剰反応と見ており、最近の弱さは特に買い場と見ている」と書いています。

新しいライセンス要件は、米国企業が製造した半導体が中国やロシアの「軍事的最終用途」に流用されるリスクに対処するためのものです。エヌビディアは、ロシアの顧客には販売していませんが、中国に販売する第3四半期の売上高4億ドルに影響を与える可能性があると述べています。

Lipacis氏は、この規制がエヌビディアの売上にとって恒久的なリスクとなるとは考えていません。その理由のひとつとして、古い製品の中国への販売にはライセンスが不要であり、多くのクラウドプレーヤーは依然として前世代のユニットを購入することを好むことを同氏はあげています。

さらに、エヌビディアの半導体販売のほとんどは、アリババ(BABA)、百度(BIDU)、テンセント(TCEHY)などの企業向けで、いずれも軍事企業ではないため、同社はその販売についてライセンスを取得できる可能性が高いと同氏は書いています。ただその一方で、最終消費者が明確でない代理店経由の販売には大きな打撃がある可能性も指摘しています。

同氏は、「買い」のレーティングと280ドルの目標株価を維持するとしています。

しかし、楽観論だけではありません。ニーダム証券のアナリスト、Rajvindra Gill氏は、米国政府の新しいスタンスは、「事業にとって大きな逆風となる」と述べています。同氏は、エヌビディアのデータセンター事業の売上高予想を40億ドルから36億ドルに引き下げ、株価の目標値も185ドルから170ドルに引き下げました。

同氏は、中国のデータセンターは現在、エヌビディアのデータセンター全体の売上の約4分の1を占めており、中国市場の減速はエヌビディアにとって特にリスクが高いと推定しています。中国経済は現在「著しく悪化」しており、2022年を通じて減速し続ける可能性があるのは、救いようがないと同氏は見ています。

米国大和証券のアナリスト、ルイス・ミシオシア氏は、エヌビディアの格付けを「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引下げました。新たな規制、弱い四半期業績、成長性の低下を考えると、エヌビディアの現在の評価は高すぎるとし、目標株価も215ドルから133ドルに引き下げています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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