オクタ 予想を上回る業績と見通しを発表するも、販売統合の問題で下落

アイデンティティ管理ソフトウェアのプロバイダであるオクタ(OKTA)が7月31日に終了した会計年度第2四半期の決算を発表しました。

発表された業績は予想を上回り、通期の業績見通を上方修正しましたが、2021年に買収したIDソフトウエア会社「Auth0」の統合で予想外の問題が発生し、事業成長に影響が出たことを明らかにしたため、発表後の時間外取引で株価は12%安と大きく下落しています。

7月31日締めの第2四半期の売上高は4億5200万ドルで、前年同期比43%増、同社の目標レンジである4億2800万ドル〜4億3000万ドルを上回りました。

調整後ベースでは、1,600万ドル(1株当たり10セント)の損失となり、同社が予想していた1株当たり31〜32セントの損失よりも大幅に少なくて済みました。一般に認められた会計慣行では、2億1000万ドル、1株あたり1.34ドルの損失を計上しています。

オクタは、前年同期比25%増の27億9000万ドルの履行義務残高(RPO)で四半期を終えました。今後12カ月間に認識される見込みの仕事を示す現在のRPOは、36%増の15億ドルでした。

10月期のオクタの売上高は、32%〜33%増の4億6,300万ドル〜4億6,500万ドル、調整後の1株当たり損失は24セント〜25セントと予想しています。アナリストのコンセンサス予想は、売上高4億6400万ドル、1株当たり28セントの損失となっていました。

懸念されるのは現在のRPOの見通しで、オクタは、この数字が15億4000万ドル〜15億5000万ドルで、成長率は30%〜31%、7月期からかなり減速すると予想しています。

2023年1月期のガイダンスは、売上高は18億1200万ドル〜18億2000万ドル、非GAAPベースの損失は1株当たり70セント〜73セントと見ていることが示されました。前回のガイダンスでは、売上高は18億500万ドル〜18億1500万ドル、1株当たりの損失は1.11ドル〜1.14ドルとされていました。

トッド・マッキノンCEOは、100万ドル以上の取引が好調であるとともに、公共部門全般と特に米国政府からの需要が堅調だったことを好業績の要因に挙げています。

その一方で同氏は、Auth0の統合、特にAuth0の営業チームとオクタのコア営業スタッフとの融合に問題を抱えていることを明らかにしました。

Auth0の買収の取引が成立したのは1年半前でしたが、営業チームの統合が行われたのは2022年の初頭だったそうで、「この統合は、我々が考えていたよりも難しいことが判明した」とマッキノン氏は述べています。

オクタはAuth0の販売のプロセスを簡略化することに取り組んできたそうですが、「最大の問題は、オクタの営業担当者がどのようにAuth0を販売すべきかが十分に明確でなかったことだ」と同氏は指摘しています。

同氏によれば、これに関してはもうひとつ問題があり、オクタの営業チームの離職率が予想以上に高く、同社の製品について教育が必要な新入社員が大量に入ってきたことを挙げています。

マッキノン氏は、販売統合の問題はRPOの数字だけでなく、好調な四半期を受けながらも、通期ガイダンスを比較的控えめにしたことにも表れていると述べています。

マクロ経済環境の悪化がビジネスに与える影響について、同氏は「販売サイクルが少し長くなった」としながらも大きな変化ではなく、「それ以上に重要なのは、この統合の問題である」と社内問題の解決が喫緊の課題である旨を語っています。

*過去記事はこちら オクタ OKTA

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