アルファベット(GOOGL)がYouTubeで動画ストリーミングサービスの立ち上げを計画していることをウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
同サービスは社内で「チャンネル・ストア」と呼ばれているそうで、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)、ロク(ROKU)などが既に展開しているサービスと同様に、消費者はYouTubeアプリから直接様々なサービスに加入することができるようになるそうです。
新マーケットプレイスは1年半前から開発されており、2022年秋までにリリースされる予定とのこと。アルファベットは現在、さまざまなストリーミング・プラットフォームに対して、YouTubeの新サービスに参加するよう呼びかけているそうです。
26億人という膨大なユーザー数や、企業が新しいコンテンツの予告編を共有する上で最も利用されていることから、ストリーミング・プラットフォームにとってYouTubeは非常に魅力的であろうと思われます。
アルファベットにとって最も魅力的なのはストリーミング・サービスに参入することによって新しい事業の柱を得ることができることです。
7月26日に発表された同社の第2四半期決算の利益は予想を下回るものでした。1株当たり利益は予想の1.28ドルに対して1.21ドル。売上高も予想の698億7000万ドルに対して696億9000万ドルとふるいませんでした。
YouTubeの広告収入も予想の75.2億ドルに対し73.4億ドルと下回り、前年同期比では4.8%の増と1年前に84%急増したことを考えると成長が大きく鈍化しました。他の事業と比べると成長の鈍化が顕著なだけに、800億ドルの市場規模を持つと推定されるストリーミング業界に参入することは事業のテコ入れに効果があると予想されます。
ストリーミング業者にとってYouTubeの規模の大きさが魅力的であることは間違いありませんが、新しいサービスを通じて配信することは、自社で直接配信するのと比べると利益が減ること意味するため会社の規模によって反応が異なることが予想されます。
業界1位と2位のディズニー(DIS)、ネットフリックス(NFLX)はすでに知名度が高いため、あまりメリットがないかもしれませんが、逆にもっと規模の小さいストリーミング業者にとっては自分達の会員数を増やし注目を集める絶好のチャンスになる可能性があります。
*過去記事はこちら アルファベット GOOGL