トレードデスク 決算発表を受け36%高の暴騰、目標株価の引上げ相次ぐ

デジタル広告購入プラットフォームのトレードデスク(TTD)の株価が8月10日の市場で暴騰しています。この記事を書いている正午過ぎ現在で36.22%高の74.24ドルで取引されています。これは2018年8月に37.13%値上がりして以来最大の上昇幅となります。

これは、9日に発表した第2四半期決算(「トレードデスク 予想を上回る売上とガイダンスを発表して18%上昇」で予想を上回る第2四半期の売上高と第3四半期のガイダンスを発表したことによるものです。この報告を受けアナリストの評価も鰻登り、目標株価の引上げが相次いでいます。

RBCのマシュー・スワンソン氏は、格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を75ドルから80ドルに引上げました。トレードデスクの業績について、「経営陣がマクロの逆風を乗り越え、同業他社の中でも際立っている」と評価しています。

ニーダム・アナリストのローラ・マーティン氏は、目標株価を55ドルから65ドルに引上げました。トレードデスクが世界的に規制圧力の強まっているアルファベット(GOOGL)のグーグルに代わってデジタル広告プラットフォームの支配者となる可能性を打ち出しました。同氏も「買い」の評価をしています。

キーバンクのジャスティ・パターソン氏は、「オーバーウェイティング」の格付けを行い、目標株価を52ドルから70ドルに引上げました。同氏は、トレードデスクを、国際的に拡大する大きな機会を持つ、独立した広告技術のリーディングカンパニーと見ています。第2四半期では、北米の売上比率が第1四半期の88%から90%に上昇したことを評価しています。

もちろん、すべてのアナリストがトレードデスクに強気なわけではありません。ベンチマークのMark Zgutowicz氏は格付けを「ホールド」、目標価格を54.50ドルとしています。同氏は、特に不景気な環境では、株価を大きく押し上げるだけの触媒がないと考えています。

同氏は、政治的な広告費に助けられ、広告量は今年の後半まで好調を維持することを認めていますが、コネクテッド・テレビ(CTV)広告の勢いが維持されるとは見ていません。

トレードデスクは決算説明会で、CTVにおける広告の実績を何度も大々的に宣伝しました。同社のウェブサイトには、全世界の広告主の4分の3が同社のプラットフォームを通じてCTVまたはOTT(Over-the-Top)広告を配信していると大きく書かれています。

トレードデスクの創業者兼CEOのジェフ・グリーン氏は「実行を続ければ、この追い風から世界のどの企業よりも多くの利益を得られると信じている」と述べています。

同氏は、コンテンツやハードウェアなどを管理するクローズドなプラットフォームとしてのグーグルの立場を指摘し、「壁に囲まれた庭の危険性や限界と比較して、オープンなインターネットの機会を認識する業界のリーダーが増えたことを示すもう一つの強い兆候だと考えています」と自社の立場の強さに自信を示しています。

*過去記事はこちら トレードデスク TTD

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