トレードデスク 予想を上回る売上とガイダンスを発表して18%上昇

デジタル広告購入プラットフォームのトレードデスク(TTD)が8月9日のマーケット終了後に第2四半期決算を発表しましたが、予想を大幅に上回る売上とガイダンスを報告したことで株価はアフターマーケットで18%高騰しています。

第2四半期の売上高は前年同期比35%増の3億7700万ドル。調整後の1株当たり利益(EPS)は11%増の0.20ドルでした。これは、アナリストのコンセンサス予想の売上高3億6,490万ドル、調整後EPS0.20ドルを売上高で上回ったことになります。

また、顧客との関係も良好で、当四半期の顧客維持率は95%となり、この指標は過去8年間、毎四半期一貫して達成され続けています。

共同創業者でCEO のジェフ・グリーン氏は声明で、「この傾向は、どのような市場環境においても当社がシェアを拡大し続けられるという確信にもつながっています。同時に、アイデンティティ、コネクテッドTV、リテールメディア、サプライチェーン最適化などの主要分野において、将来の成長を促進するための投資を続けています。」と述べています。

グリーン氏はさらに、同社が第2四半期に「世界有数の出版社、放送局、小売業者、技術パートナーとの主要な新しいパートナーシップを締結した」とも述べており、同四半期に同社の将来の成長につながる関係を築くことができたことを強調しています。

こうした事例のひとつが、トレードデスクが先月、メディア大手のディズニー(DIS )との大規模な広告契約を結んだことを発表したことで、ディズニー独自のAudience Graphのデータと、トレードデスクのオープンソースのIDフレームワークであるUnified ID 2.0 (UID 2.0)が統合されることになります。

投資家にとってより重要だったことは、現在の不透明なマクロ経済環境において、トレードデスクが第3四半期について堅実な見通しを発表したことです。

同社は、少なくとも3億8500万ドルの売上と約1億4000万ドルの調整後EBITDAの見通しを明らかにしました。アナリストのコンセンサス予想では、売上高は3億8,220万ドル、EPSは0.22ドルとなっていました。

先に四半期決算を発表したメタ・プラットフォームズ(META)やトレードデスクの重要なクライアントであるロク(ROKU)などが広告収入の減少に苦しんでいただけに、トレードデスクの決算でも同様のことが起こるのではと懸念されていました。

KBCMのアナリストなどは、トレードデスクや他のアドテク企業の決算プレビューで、「予算削減、オンライン利用時間の減少、インフレと為替の逆風が重なり、企業への圧力が高まっていることから、業界が緩やかな広告不況に突入したと考えられる」と書いていただけに、トレードデスクの予想を大きく上回る決算は驚きを持って受け取られており、時間外取引における株価の高騰につながっているようです。

*過去記事はこちら トレードデスク TTD

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