デジタル決済企業のブロック(SQ)が8月4日、第2四半期決算を発表しました。業績は予想を上回りましたが、今後に不安を抱かせる内容だっため、アフターマーケットで株価は7%近く下落しています。
ブロックは、第2四半期の普通株主帰属損失が2億800万ドル(希薄化後1株当たり36セント)となったと発表しました。調整後ベースでは、第2四半期の純利益が約1億1,070万ドル(希薄化後1株当たり18セント)となりました。
ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想は、第2四半期にブロックが16セントの利益を計上すると予想していました。
同四半期の総収入は約6%減の44億ドルで、ウォール街の予想である43億ドルをわずかに上回りました。ビットコイン収入を除いた純収入の総額は26億2000万ドルで、前年同期比34%増だったとのことです。
売上総利益は、アナリストの予想14億6000万ドルに対して14億7000万ドル、調整後の1株利益は0.18ドルで予想の0.16ドルを上回りました。ビットコインを除いた第2四半期の純売上は26億2000万ドルで、前年同期比34%増となりました。
2009年に設立されたブロックの主要事業は、ピアツーピア決済などを提供する消費者向けモバイル決済サービスで「Cash App」と、端末の販売や決済の受け付け・処理を行う加盟店決済プロバイダー「スクエア」の2つサービスから成り立っています。
2月、ブロックは290億ドルで、Buy-Now, Pay-Laterアプリのアフターペイの買収を完了しました。アフターペイは自社の事業部門ではありませんが、そのプラットフォームはCash Appとスクエアの両方で利用されています。
総利益は29%増の14億7000万ドルでした。これにはスクエアからの7億5500万ドルとCash Appからの7億500万ドルが含まれています。
Cash Appは、この四半期、暗号通貨市場のボラティリティの影響を受けました。前年比34%減の17億9000万ドルのビットコインの売上を上げ、利益は24%減の4100万ドルでしたが、3600万ドルのビットコイン減損損失を計上したと述べています。
ブロックは、売上と粗利益の減少について、「主に消費者需要の減少とビットコインの価格低下によるもので、暗号資産を取り巻く広範な不確実性に一部関連し、四半期中のビットコインの価格変動の恩恵を相殺した」と、株主宛の書簡で述べています。
6月、ブロックは、Cash Appで取引したアカウントは4700万件、Cash App Borrowの月間アクティブユーザー(MAU)は100万人以上であると発表しています。4700万という数字は、Wolfe Researchのアナリストであるダリン・ペラー氏が予想した4800万を下回るものでした。
「我々は、Cash Appの売上総利益の下振れと予想よりも低いMAUが相まって、不況に向かってSQの低所得消費者のエクスポージャーに懸念をもたらす可能性があると考えている」とペラー氏は8月4日付けのノートで述べています。同氏は、スクエアの格付けを「アウトパフォーム」」とし、目標株価を85ドルとしています。
決算発表後の電話会議で、CFOのAmrita Ahuja氏は、同社が2022年通年の投資計画を2億5000万ドル減らしていることを明らかにしました。「現在、年初から合計で4億5000万ドルの非GAAP営業費用計画を減らしており、これは2022年のステップアップのために当初案内した額の20%にあたる」と同氏は述べています。
米国みずほ証券のアナリスト、ダン・ドーレブ氏は、4日付けのメモで、ブロックの第2四半期決算は「やや残念」だと述べています。しかし、同氏は「Sellerの7月のトレンドが引き続き好調で、Cash App Borrow / payday lendingの月間アクティブユーザー数が100万人を超える素晴らしい進展に明るい兆しが見える」とも述べており、同株式の格付けを「買い」とし、目標株価を135ドルとしています。
*過去記事はこちら ブロック SQ