テスラ 第2四半期決算へのアナリストの評価

7月20日の市場終了後にテスラ(TSLA)が発表した第2四半期決算(「テスラ 利益で予想を上回る好調な決算を発表」)に対し、アナリストの評価が出ています。

カウエンのアナリスト、ジェフリー・オズボーン氏は、テスラの営業費用と税率が予想より低かったと、20日夜のレポートで指摘しましたが、それほど感心していないようです。ベルリンとテキサスの新工場での生産が順調に進んでいることを投資家が実感できるまで、テスラ株は一定の値幅を上下し続ける「レンジバウンド」で推移すると同氏は見ています。

ベレンベルクのアナリスト、エイドリアン・ヤノシク氏は決算後のレポートで生産立ち上げに言及しました。第3四半期には、新工場の生産量が増加し、利益率が改善すると予測しています。

同氏は、モデルYの「リードタイムの安定化」にも言及しています。テスラが2022年におよそ25%から30%の値上げをしているにもかかわらず、リードタイムが長くなっているのは、EV、そしてテスラのEVに対する需要が底堅いことを示していると投資家やアナリストの間では受け止められています。逆にリードタイムが短くなったり、安定化することは、景気減速に伴う悪い兆候を示すことになり得ると考えられています。

イーロン・マスクCEOは同社の電話会議でリードタイムについて言及し、テスラはリードタイムの短縮を望んでいると述べています。同氏はまた、テスラは当面、作れるだけの車を売ることができると断言しており、需要について心配していないようすです。

RBCのアナリスト、ジョセフ・スパック氏は、マスク氏に同意しているようで、20日の夜、テスラには需要の問題はないと考えていると書いています。同氏はまた、テスラの古い工場で車両供給が増加していることに勇気づけられたともコメントしています。

スパック氏は、テスラのカリフォルニア州フリーモントの工場は、事前の予想である年間60万台から最大65万台まで生産できると考えています。また、2021年の生産台数が約48万台であった上海の工場は、年間約75万台の生産が可能と見ています。

オズボーン氏、ヤノシク氏は、ともにテスラ株を「ホールド」と格付け。オズボーン氏は目標株価を733ドルとし、ヤノシク氏は833ドルに設定しています。

また、スパック氏は「買い」と評価し、目標株価を1,100ドルとしています。このほか、米国大和証券のアナリスト、ジャイラム・ネイサン氏も「買い」と評価し、目標株価を800ドルとしています。

ネイサン氏もスパック氏と同じく生産に注目しており、「経営陣は2022年の総生産台数を4万台/週近くで終えることを希望している」と書いています。この数字は、年間約200万台の生産に相当し、生産調整と休暇のための時間を確保することができる生産量だそうです。

S&P 500構成銘柄のアナリストによる平均「買い」推奨率は58%ですが、現在のテスラ株の「買い」推奨率は53%となっています。また、アナリストの平均目標株価は約870ドルとなっています。

テスラ株は7月21日の市場で大きく上昇しており、10.19%増の818.19ドルで取引されています(米国東部夏時間03:16PM)。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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