YouTube がショッピファイと提携しeコマースに本格参入

ショッピファイ(SHOP)は7月20日、アルファベット(GOOG/GOOGL)の子会社であるYouTubeと提携することを発表しました。

米国のオンライン小売売上高は、今年9%増の1兆ドル以上に達する見込みです。そして2026年には、現在の15%から20%以上がeコマース経由で購入されるようになると予想されています。

YouTubeはこのことを充分に認識しており、この巨大でなおかつ急成長する市場に食い込むためにeコマースのリーダーであるショッピファイ(SHOP) と協力することに合意しました。

毎日、何百万人もの人々がお気に入りのソーシャル・メディア・チャンネルで購入するものを発見し、評価しており、コンテンツ・クリエイターは、こうした人々の意思決定にますます影響を与えるようになっています。

これらのクリエイターは、ファッションのキュレーターであり、視聴者がより良い買い物をするために商品を試着し、展示するフレンドリーなアシスタントでもあります。Googleの調査によると、89%の視聴者が、クリエイターは信頼できるおすすめをしてくれると答えています。

YouTubeは、この流れをさらに推し進めたいと考えています。YouTubeは、コンテンツ制作者向けのライブショッピングツールを展開し、ショッピファイと提携することで、YouTube上にeコマースストアを簡単にリンクし、運営できるようにします。インフルエンサーがファンに直接商品を提供できるようにすることで、YouTubeは、単なる発見のためのエンジンではなく、主要なショッピングの目的地になることを望んでいます。

両社は、YouTubeを離れずに買い物ができるシームレスなチェックアウト体験を視聴者に提供するために協力し、ショッピファイは、クリエイターが商品不足にならないよう、リアルタイムの在庫管理ツールを提供します。

ショッピファイの発表によれば、Shopifyのマーチャントは、以下の3つの方法により、YouTubeでフルラインアップの製品を販売することができます。

  • 「ライブストリーミング」: ライブストリーミング中の重要ポイントに商品をタグ付けすることができます。また、ピクチャー・イン・ピクチャー (PIP) で再生できるため、顧客は商品のチェックアウト中でもコンテンツを視聴可能です。
  • 「動画の真下に商品欄を配置」:オンデマンドビデオの下に商品欄を配置し、厳選された商品リストを表示することが可能です。
  • 「ストアタブ」:マーチャントのYouTubeチャンネルに新しいタブを追加し、全商品を表示することができます。

クリエイターを取り込もうとしているのは、YouTubeやショッピファイだけではありません。アマゾン(AMZN) は、人気プロモーターに契約ボーナスや休暇を提供するなど、より多くのインフルエンサーを同社のeコマースプラットフォームに誘致するための取り組みを強化していると伝えられています。

アマゾンは、この取り組みを重要な成長ドライバーと見なしており、「ライブストリーム・ショッピングは小売の未来だ」と、アマゾン副社長のウェイン・プルブー氏はフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで語っています。

同氏は、同社のライブストリームショッピングサイトであるAmazon Liveを率いており、Amazon Liveは有名人やその他のインフルエンサーに人気商品のお買い得情報を提供しています。アマゾンは、従来のeコマース・ショッピングを支配するように、ライブストリーム・ショッピングを支配したいと考えているようです。しかし、今回の提携で、YouTubeとショッピファイもこの急成長する市場に食い込もうとしていることが明らかになりました。

ライブストリームショッピングでいかに成功を収めるかが、今後eコマース企業の成長率に重大な影響を与える可能性があると見られており、投資家はこの争いを注意深く見守る必要がありそうです。

*過去記事はこちら ショッピファイ SHOP

最新情報をチェックしよう!