アマゾン 9月期のガイダンスは「懸念されるより良い」とアナリストが主張

アマゾン(AMZN)は7月28日に第2四半期決算を発表する予定ですが、アナリストの予想は芳しくありません。

コンセンサス予想では、売上高は1195億ドルで、前年比わずか4%増、利益は1株当たりわずか16セントとされています。アナリストは、消費者需要の低迷、厳しいマクロ経済状況、厳しい前年同期比に悩まされている同社の中核事業であるeコマース事業が、前年同期比で若干減少すると予想しています。また、9月期のガイダンスが現在のコンセンサスを下回るのではないかという懸念もあります。

しかし、バークレイズのアナリスト、ロス・サンドラー氏は、7月15日付けのリサーチノートで、アマゾンが第3四半期のガイダンスを「懸念されるより良い」ものにする可能性は十分にあると主張しています。

同氏は、機関投資家からの営業利益に対する期待は「これまで聞いた中で最も悪い」としながらも、9月期には商品総価値(GMV)が2桁成長し、設備投資が減少する可能性があると見ています。「燃料費、運賃、人件費、生産性の低さといった余分なコストについては、初期には緩和の兆しが見えるかもしれないが、完全にクリアになるわけではないと考えている」と同氏は書いています。

アマゾンは第1四半期決算で38億ドル(1株当たり7.56ドル)の損失を出しましたが、これは主にEVトラックメーカーのリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)の株式に関する76億ドルの営業外損失が原因です。アマゾンはリヴィアン株を2割弱保有しており、同社の株価下落に伴って76億ドルの評価損を計上しました。第2四半期も同様に40億ドル近い評価損を計上するのではとサンドラー氏は警告しています。

アマゾンの6月期ガイダンスは、不利な為替レートによる2ポイントの逆風を含め、売上高を1160億ドルから1210億ドルと予想しており、営業利益は10億ドルから30億ドルの間と見ています。

サンドラー氏は、チャネル・チェックでは「米国と欧州の需要が減速している」と指摘する一方で、アマゾンは基本的な食料品などの非裁量的支出が商品構成に含まれていることから、ライバルのeコマース企業よりも良い業績を上げるはずだと主張しています。トップラインの成長加速と営業利益の改善の組み合わせが、ここから株価を上昇させるのに十分であると同氏は考えています。

しかし、いくつかの相殺要素があります。サンドラー氏はアマゾン・ウェブ・サービスの見通しを下方修正し、同社の広告事業が広告支出全般の減速の影響を受けないとは言えないと指摘しています。しかし、同氏はアマゾン株のレーティングを「オーバーウェイト」とし、目標株価を現在の水準より約75%高い195ドルに据え置いています。

アマゾンの株価は7月15日の市場で3.81%増の114.85ドルで取引されています(米国東部夏時間1:12PM)。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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