次のアマゾンは?注目の12銘柄

米国の経済誌バロンズが「次のアマゾンは?」というタイトルの記事を掲載しています。この記事が言っている「次」というのは、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が持つ大暴落から立ち直った歴史のことを指しています。

アマゾンは2002年、1999年12月に付けたその当時の最高値から95%下落したことがありました。先日行われた1対20の株式分割後の株価で換算すると、1株5.65ドルから28セント以下まで株価は下落しました。その後、20年が経ち、7月12日の終値は109.22ドル。なんと約36,000%も上昇したことになり、投資家に年平均約34%の利益をもたらしてきたことになります。

同じ期間のS&P 500の成長率は年平均約9%であり、いかにアマゾンの成長率がものすごかったかがわかります。

弱気相場に入った今、このアマゾンと同じことをやってのける可能性がある企業を探そうというのがバロンズの記事の趣旨。直近52週間の高値から80%以上下落している、古い業界を破壊しようとしている新興銘柄をスクリーニングし、以下の12銘柄をピックアップしています。

・カーバナ(CVNA):オンライン自動車販売
・アップスタート(UPST):人工知能融資プラットフォーム
・ペロトン・インタラクティブ(PTON):双方向フィットネス・プラットフォーム
・ロビンフッド・マーケッツ(HOOD):手数料ゼロの証券会社
・アファーム(AFRM):BNPLプラットフォーム
・コインベース・グローバル(COIN):暗号通貨交換プラットフォーム
・リヴィアン・オートモーティブ(RIVN):EV新興企業
・ドラフトキングス(DKNG):オンライン賭博プラットフォーム
・ギンゴ・バイオワークス(DNA):生物細胞プログラマー
・キンドリル(KD):テクノロジー・サービスおよびインフラストラクチャー・サービス
・ユニティ・ソフトウエア(U):メタバースソフトプレイ
・ドキュサイン(DOCU):電子署名会社

この12銘柄は、直近52週間の高値から平均86%下落しており、合わせて、6000億ドル以上の市場価値を失っています。

バロンズはこれらの銘柄をアナリストの評価、収益、キャッシュの観点から評価しています。

アナリストの評価が高いのは、ギンゴ、リヴィアン、コインベース、ユニティ・ソフトウエアで、この4社の平均「買い」評価率は約67%で、S&P500の銘柄の平均58%を大きく上回っています。

逆にアナリストからの評価が低いのは、カーバナ、アップスタート、ロビンフッド、キンドリル、ドキュサインで、この5社の平均「買い」評価率は40%未満です。

収益面で見てみるとアップスタートとドキュサインは2023年にプラスの収益を上げると予想されています。アップスタートは2023年の推定利益の12倍で取引されており、ドキュサインは2023年推定利益の約37倍で取引されています。

バランスシートでチェックすると、コインベース、リヴィアン、ギンゴは、時価総額の大きさに比べて最も多くのキャッシュを持っており、利益を生み出すまでの間に、ある程度のクッションがあると判断されます。コインベースは実際にフリーキャッシュフローを生み出しています。

これらの評価を踏まえた上で、バロンズが「次のアマゾン」になる可能性があるとしたのが、コインベース、リヴィアン、ギンゴ、ユニティ・ソフトウェア、アップスタート、ドキュサインの6銘柄。

少なくとも1つの有利な特徴を持ち、バーゲン好きの投資家がもう一度見直す価値がある銘柄であるとしています。ただ、「株価が80%以上下落したからといって、必ずしも買いとは限らないということを忘れてはならない。次のアマゾンになる企業よりも、倒産する企業の方がはるかに多いのだから」との留保付きではありますが。

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