エヌビディア アナリストが目標株価を引き下げ

エヌビディア(NVDA)の株価は、パイパー・サンドラーが米国、中国、ロシアなどの重要な市場での販売に懸念があるとして、株価の目標を引き下げたため、7月11日の市場で下落しました。終値は4.33%減の151.52ドルとなっています。

アナリストのHarsh Kumar氏は、11日付けのリサーチノートで、エヌビディアの目標株価を250ドルから235ドルに引き下げましたが、同銘柄のオーバーウエイトのレーティングは維持しています。

「中国とロシアでの問題の継続、ゲーム用ノートパソコンの弱さ、消費者の圧力、暗号に関する懸念に基づいて、NVDAの予想を下方修正する」としています。

エヌビディアはロシアのウクライナ侵攻を受けてロシアでの販売を停止しました。また、中国ではCovid-19対策のための広範なロックダウンが続き、同国の広範な産業に支障をきたしていると見ています。これらの要因によって第2四半期の売上が最大で5億ドル減少すると同社は予想しています。

Kumar氏は、8月に行われる同社の決算発表の際に、経営陣が第3四半期についても同様の見通しを発表することを予想しています。また、同氏は、米国におけるゲーミングノートPCの価格がここ数カ月で下落傾向にあり、金利上昇を受けて高額商品を控える人が増えていることから、個人消費の低迷が示唆されていると指摘しています。

また、エヌビディアのグラフィックカードは以前から暗号通貨の採掘者の人気オプションであったことから、最近の暗号通貨価格の下落はエヌビディアのゲーム部門にマイナスの影響を及ぼしているとし、「暗号のメルトダウンに伴い、一部の採掘者が余剰生産能力の一部をGPUの中古市場に売却する可能性が高く、これも販売の妨げになる可能性があると思われる」と同氏は書いています。

とはいえ、投資家はすでに第2四半期中の軟調な動きを織り込んでいるかもしれない、と同氏は付け加えています。アナリストは数カ月前からゲームの減速について警告しており、株価もそれに応じて変動しています。エヌビディアの株価は今年に入ってから50%下落しています。

競合のマイクロン・テクノロジー( MU )が中国の消費者需要の落ち込みを理由に予想を下回る見通しを示したため、7月の第1週に株価は大きく下落しましたが、明るい材料としてデータセンター事業で旺盛な需要が続いていることをあげていました。
マイクロンの弱気な見通しにより半導体関連銘柄が急落

エヌビディアも同じような状況かもしれないと、Kumar氏は書いています。同社のデータセンター事業の多くは「堅実な足取り」にあるように見えると同氏は評価しています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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