キーバンク・キャピタル・マーケッツの新しいデータによると、アップル(AAPL)製品に対する米国の消費者需要は5月に減速の兆しを見せています。
アナリストのBrandon Nispel氏が確認したクレジットカード取引データによると、5月のアップル・ハードウェアへの支出は前月比で8%減少し、キーバンクが2016年に追跡を開始して以来、最も弱い5月のデータとなっています。
5月の数値は、同月の支出額が10%増加したことを示す過去3年間の平均を下回っています。4月は四半期で最も弱い月になる傾向がありますが、5月も低く推移しているようだとNispel氏は述べています。
また、「新型MacBook Airの発売を控えた需要のエアポケットや、供給制約や中国の弱い需要による若干の下振れにより、(支出減を示す)Macに関するデータは高すぎる可能性があると考えている」とデータに偏りがある可能性についても同氏は指摘しています。
米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために金融引き締めを続け、迫り来る不況の懸念を煽っているため、消費者の動向に対する懸念は昨年から高まっています。不景気な環境では、消費者は裁量支出や贅沢品の購入を控える傾向にあり、いずれもアップルにとって良い兆候とは言えません。また、消費者がサービスに対する支出を選好し始めていることも、不安の材料です。
アップルのiPhone 14の生産台数は懸念されているよりも悪くなる可能性がある、とJPモルガンは述べています。2022年に製造されるiPhone 14の台数は、2021年に製造された前モデルのiPhone 13よりも少ないと同社は予想しています。
しかし、 Nispel氏はアップルにつていは楽観的です。成長率と利益率の上昇、そして新製品やサービスの可能性を引き続き見ているとし、株式のオーバーウエイトのレーティングを維持しています。
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