テラドック 大暴落からの巻き返しが期待できる4つの注目ポイント

衝撃だらけの1週間だった先週ですが、なかでも個人的にショックが一番大きかったのがテラドック・ヘルス(TDOC)の大暴落でした。「テラドック 第1四半期の大赤字で37%急落

暴落が起こった主な理由は2つ。ひとつは、66億7000万ドルという驚くべき第1四半期の純損失を計上したこと。もうひとつは、2022年の見通しを下方修正したことです。

この2つのことを知った多くの投資家がパニックに陥り、売りに走った結果、4月28日の市場で株価は一時29ドルを切るなど前日比で50%近い下落を記録する場面がありました。

確かにこの二つの発表はショッキングでしたが、これに隠れて見逃されているポジティブなポイントもありました。時間はかかるかもしれませんが、以下の4つのポイントから大きく下落した株価が再び上昇に転じることが期待されます。

減損を考慮すると、売上高に占める営業費用の割合が低下した

66億ドルののれん代減損は確かに大きな金額で、投資家の注目を集めたのも無理はありませんでした。しかし、これは損益計算書における非現金項目であり、2020年に185億ドルでリヴォンゴ・ヘルスを買収したことに由来したものです。

当時はパンデミックの影響でテレヘルス銘柄が急騰しており、感染防止のためにバーチャルな診察が不可欠なサービスになっていました。もし、今日、この買収が行われていたら、かなり低い価格で買収されていた可能性が高いと思われます。

減損会計の結果、テラドックの営業費用は第1四半期に72億ドルに跳ね上がりましたが(前年同期は5億3840万ドル)、この一時的な費用を除けば、経費は前年同期比18%増の6億3470万ドルにとどまったはずです。これは、前年同期の売上高に対する比率が119%であったのに対し、112%に相当します。

減損を除く営業費用の増加率は、売上高が25%増の5億6,540万ドルに達したのに比べ、緩やかなものでした。これは事業がより効率的になってきていることの証であり、投資家にとって明るい兆しです。

ガイダンスの下限をクリア

2月、テラドックが2021年末の数字を発表したとき、2022年第1四半期の売上は5億6,500万ドルから5億7,100万ドルになると予想していました。実際の結果は5億6,540万ドルで、その範囲の下限をわずかに上回る結果となりました。これは必ずしも印象的ではありませんが、テラドックのビジネスは、経済で何が起こるかに関係なく、過度に不安定ではないことを示唆しています。

今回の決算で失望されたのが、通年の売上見通しを1億5,000万ドル下方修正し、24億ドルから25億ドルの範囲にしたことです。テラドックCEOのジェイソン・ゴレビッチ氏は、第1四半期にいくつかの課題があり、マーケティング費用が会社が期待するような結果を生んでいないと述べました。

また、経営陣は、雇用主が医療給付に関する長期的な戦略を評価するのに時間がかかるため、「販売サイクルの長期化」が見られると述べています。しかし、長期的な投資家にとっては、これらは短期的な懸念に過ぎないはずです。

総訪問数が引き続き増加

テラドックの決算報告書で重要な数字のひとつは、サービスの人気度を評価するのに有効な指標である総訪問数です。第1四半期の450万件の訪問は、前年同期比35%増に相当し、同社が一時的なトレンドに乗ったコロナ関連銘柄にとどまらないことを示しています。

今期、テラドックは440万~460万件の訪問を予測しています。同社のサービスの利用が引き続き好調で成長していることと、米国の会員1人当たりの平均売上が上昇していること(1年前の2.09ドルに対してこの四半期は2.52ドル)は、テラドックが正しい道を進んでおり、売上が引き続き増加することを示す心強い兆しです。

キャッシュポジションは引き続き強固

第1四半期中、テラドックは日々の営業活動のために3,170万ドルの現金を使いました。前年同期の1,800万ドルと比べると大きく増えましたが、8億ドルを超える現金および現金同等物の残高に比べれば、まだ比較的控えめな数字です。2021年に同社は1億9,400万ドルの営業キャッシュフローを生み出しており、キャッシュポジションは引き続き強固です。

テラドックの株価がこれほど安くなったのは、2018年以来です。それはパンデミック前で多くの人々がまだテレヘルスが何であるかさえよく知らなかったころであり、その時の水準に株価は戻ってしまいました。しかし、テラドックのビジネスは成長を続けている一方で、業務もスリム化しており、今の株価はそれを反映していないと考えられます。その点を評価して中長期的な視点で投資を行うならば、割安になった今が保有の絶好のチャンスと思われます。

*過去記事はこちら テラドック TDOC

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