遠隔医療サービスを提供するテラドック・ヘルス(TDOC)は、第1四半期に予想を上回る損失を計上し、通期の業績見通しを下方修正したため、4月27日の時間外取引で株価が37%下落しました。
テラドックは、同社が単なるパンデミック銘柄であるという懸念を払拭するのに苦労しており、株価はすでに過去12カ月間で70%下落していました。
第1四半期でテラドックは合計で66億7,000万ドル、1株当たり41.58ドルの損失を計上しました。ファクトセットの調べではアナリストは、平均して1株当たり60セントの損失を予想していました。前年同期の損失は1億9,960万ドル、1株当たり1.31ドルでした。
第1四半期の赤字の主因は、現金支出を伴わないのれん代減損損失66億ドルで、これは、企業が資産の価値を失った、あるいは完全に価値がなくなったことを認めた後に損益計算書に計上されることが多いものです。
27日のニュースリリースで、テラドックはのれん代減損費用について多くの詳細を明らかにしませんでしたが、証券取引委員会への同社の提出書類によると、帳簿上ののれんの大部分は2020年に185億ドルでリヴォンゴ・ヘルスを買収したことに由来しています。リヴォンゴは、糖尿病などの慢性疾患を持つ人向けのデジタル健康管理・コーチングプラットフォームです。
のれんの減損は、同社の将来キャッシュフローの割引率が上昇し、高成長デジタルヘルスケア分野の同業他社の評価が低下したことによるテラドックの株価の持続的下落が引き金となったと、最高財務責任者のマラ・マーシー氏は27日午後の電話会議で語っています。
遠隔医療分野におけるテラドックの主要な競合企業であるアメリカンウェル(AMWL)と1ライフ・ヘルスケア(ONEM)は、過去12カ月間で株価がそれぞれ80%と83%下落しました。
テラドックの売上は前年同期から25%増加し、5億6,540万ドルに達しました。テラドックCEOのジェイソン・ゴレビッチ氏は声明の中で、多くの戦略的取り組みで「大きな進展」を示したと述べています。それでも、この数字はウォール街のアナリストが予想した5億6,870万ドルをわずかに下回るものでした。
テラドックは現在、2022年度について、売上高を24億ドルから25億ドルの間、金利・税金・減価償却前利益(EBITDA)をマイナス700万ドルからマイナス5,200万ドルの間と予想しています。同社はこれまで、売上高を25億5,000万ドルから26億5,000万ドル、EBITDAを1,800万ドルから4,800万ドルと予想していました。
ゴレビッチ氏は、「我々は、消費者向けメンタルヘルスおよび慢性疾患市場において現在経験しているダイナミクスを反映し、2022年の見通しを修正します」と述べ、一部のチャネルにおける広告コストの上昇がマーケティング支出の利回りを引き下げていることを指摘しました。また、慢性疾患市場では、雇用者や医療保険制度が長期的な戦略を検討しているため、「販売サイクルが長くなっている」とも述べています。
この期待はずれの決算報告を受けて、テラドックの株価は、27日の取引ですでに3.1%下落して55.99ドルになっていましたが、時間外にはさらに下落して35.37ドルまで下落しました。28日の市場でもこの下落が続けば、同株式にとって2018年3月以来の最低水準となり、一部の大株主に大きな損失をもたらすことになります。
例えば、キャティー・ウッド氏が率いる120億ドル規模のARKイノベーションETF(ARKK)は、テラドック株が2021年のピークから下落して以来、大きな買い手になっています。27日の終値で、テラドックは、テスラ(TSLA)とズームビデオコミュニケーションズ(ZM)に次ぐ、ファンドの第3位のポジション(7%近くのウェイト、6億5,200万ドル以上の価値)でした。つまり、テラドック株が37%急落すると、ARKファンドは3%近くも下がることになります。