4月26日に四半期決算を発表したマイクロソフト(MSFT)とアルファベット(GOOGL)。翌日27日の市場ではマイクロソフトが6%以上上昇した一方でアルファベットが4%近く下げるなど、明暗を分けています。
マイクロソフトの株価は、第4四半期のガイダンスが予想を上回ったことと、同社のクラウドサービスに対する強い需要が追い風となり、上昇しています。
一方、アルファベットは第1四半期にアナリストの予想を下回る売上高を計上したことで、逆に下落しました。その原因は、第1四半期の広告の伸びの鈍化とYouTubeの売れ行きの鈍化です。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は、アルファベットの広告事業の売上成長は、第2四半期に(前年同期との)厳しい比較に直面するだろうと述べ、また、ロシアでの商業活動の停止も業績に反映されることも付け加えています。
ボストンの資産管理会社Claro Advisorsの代表で創設者のRyan Belanger氏は、「マイクロソフトの業績向上とアルファベットの業績不振は、投資家がテクノロジーセクターの中で選択的になるべきことを示唆している」と語っています。
マイクロソフトの第3四半期の売上高は18%増の494億ドルでした。同社のクラウド事業「Azure」を含むインテリジェント・クラウド部門の売上高は191億ドルで、前年同期比26%増、ウォール街予想の188億9000万ドルを上回りました。Azureクラウドコンピューティング事業は、同四半期に46%、恒常為替レートベースでは49%成長しました。
マイクロソフトのエイミー・フード最高財務責任者(CFO)は同社の電話会議で、第4四半期のAzureの売上高の伸びはわずかに鈍化し、約47%になると述べましたが、それでもアナリストの予測を上回ることになると見込んでいます。
RBC Capital Marketsのアナリストは、マイクロソフトの第4四半期のガイダンスは「堅実で、マクロの減速に対する投資家の懸念を払拭するものだ」と述べています。RBCは同銘柄の「アウトパフォーム」のレーティングと目標株価380ドルを維持しました。
ウェドブッシュのダン・アイブス氏は、マイクロソフトは「『時代を超えた』強固なクラウドガイダンスで、ウォール街の神経を静めるだろう。そして重要なことにハイテクセクター全体にとって今後強気のデータポイントになった」と述べました。
ウェドブッシュはマイクロソフトの「アウトパフォーム」の評価を維持しましたが、目標株価を375ドルから340ドルに引き下げました。270ドルあまりという26日の株価を反映したより現実的なものに改めたようです。
アルファベットのYouTubeの第1四半期の売上は68億7,000万ドルで、アナリスト予想の約75億ドルを大きく下回りました。RBCのアナリストは、YouTubeの2度目の未達を “主な論争点 “と呼んでいます。YouTubeのダイレクトレスポンス広告の成長が鈍化したことは、アップルによるプライバシー保護のための広告規制の影響を受けたものとRBCのアナリストは見ています。
RBCのアナリスト、ブラッド・エリクソン氏は、YouTubeとTikTokの戦いにも注目し、人気の動画アプリは 「この分野における重要な破壊者と見なされ続けるだろう」と述べています。
エリクソン氏はアルファベットを「アウトパフォーム」と評価し、目標株価は3,420ドルとしています。第1四半期の売上高は未達だったものの、同社は「株主への資本還元へのコミットメントを高めながら、大規模で強力かつ収益性の高い成長を示し続けることができる、この分野の他の企業と比べても優位な位置にある」と同氏は述べています。