トレードデスク(TTD)は、デジタル広告の購入を可能にするマーケットプレイスを運営する広告テクノロジー企業であり、このサービスはますます需要が高まっています。
株価は過去5年間で1,700%以上も上昇しましたが、その成長に減速は見られず、依然として投資家の注目を集めており、特に注目されているのが以下の3つの成長ポイントです。
国際的な成長
IDC Globalによると、2021年、世界の全広告費の67%が北米以外で消費されています。一方、トレードデスクは2021年、売上の86%を北米から得ています。このギャップは、トレードデスクにとってチャンスであり、同社はこれを活かすつもりです。
CEOのジェフ・グリーン氏は、同社の第4四半期決算発表で次のように述べています。
「台湾、インド、イタリア、北欧など、有望な新市場が開拓され、素晴らしいリーダーたちが急速に進出しています。私たちはグローバル企業であり、これらの市場への投資により、長期的には国際的な売上が北米を上回ると予想しています」。
すでに、この投資は形を表しています。トレードデスクの北米以外からの売上比率は、2015年から2021年にかけて6.5%から14%に上昇しています。
コネクテッドTVへのシフトによる追い風
米国の消費者はコンテンツの視聴方法を変えつつあります。以前は、ケーブル接続で視聴していましたが、このモデルは時代遅れで、現在ではコンテンツをストリーミングで視聴することが好まれています。
ストリーミングはより便利で、多くの場合より安価であり、モバイル機器やテレビで視聴することができます。こうした理由から、多くの人がストリーミング・サービスに登録し、ケーブル接続をやめています。これは、トレードデスクにとって良いニュースです。
トレードデスクは、米国で9,000万世帯のコネクテッドTVに接続しており、彼らの注目を集めたいマーケティング担当者にとっては大きなチャンスとなります。
また最近、いくつかのスタジオが広告をサポートするストリーミングサービスを開始したため、今後より質の高いデジタル広告の在庫が生まれると思われます。
マーケターの観点からは、コネクテッドTV広告は、リニアTV広告では得られないターゲティングと測定が可能なため、より効率的です。
巨大なTAM(獲得可能な最大市場規模)
トレードデスクは、ここ数年、急速に売上を伸ばしています。実際、2014年から2021年にかけて、4,500万ドルから12億ドルに増加しました。それでも、トレードデスクが世界の広告市場の中で占めるシェアは比較的小さなものです。
トレードデスクが売上を拡大する効果的な方法の1つは、既存顧客にもっと消費してもらうことです。直近の1年間で、同社の上位25社の広告主は、同プラットフォームへの支出を前年比50%増加させています。これは、トレードデスクが優れた顧客価値を提供している証拠です。そうでなければ、これらのマーケティング担当者は、より投資対効果の高い場所に広告を出稿するはずです。
2021年、世界の広告費は総額7,630億ドルで、前年比22.5%増となりました。また、トレードデスクに有利に働くトレンドとして、デジタル支出の割合が上昇していることが挙げられます。その割合は2019年から2021年にかけて、52.1%から64.4%に上昇しました。
投資家は、巨大でかつ拡大する市場でシェアを増やすことができるトレードデスクの可能性に引きつけられています。株価は2021年後半に到達した高値から35%下落しており、トレードデスクのポジションを開始することに興味がある人にとって、長期的に優れた展望を持つ事業を割引価格で購入する好機となっています。
*過去記事はこちら トレードデスク TTD