トゥイリオは次のエヌビディアになれるか?

エヌビディア(NVDA)は過去10年間、株式市場のトップパフォーマーで株価は7,500%以上上昇し、S&P 500の223%の上昇をやすやすと凌駕しています。

この傑出した上昇は、GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)市場における優位性によるもので、これにより長年にわたってトップラインとボトムラインの驚異的な成長を記録してきました。

エヌビディアは、パソコンやデータセンターで使用されるディスクリートグラフィックカード市場の80%以上を占めており、さらにその用途は自動車やメタバースなどの分野で広がりつつあります。

そんなエヌビディアと同じようなリターンをもたらしてくれるのではと期待されているのが、トゥイリオ(TWLO)です。

トゥイリオは、通信アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)や、顧客エンゲージメントを改善することを目的としてあらかじめ構築されているソリューション・アプリケーションを提供するための、クラウドベースの通信プラットフォームを運営している。プラットフォームは、APIを通じて、ソフトウェア開発者がメッセージング・音声・ビデオ機能を新規・既存のビジネスアプリケーションに統合できるようにする。また、「スーパー・ネットワーク」(グローバルに展開する通信キャリア網)を活用して、高速かつコストの最適化されたメッセージング・音声のグローバルベースでの通信を容易にしている。

出所:マネックス証券銘柄スカウター
企業URLhttps://www.twilio.com

第三者機関の推計によると、トゥイリオは38%のシェアを持ち、コミュニケーション・プラットフォーム・アズ・ア・サービス(CPaaS)市場をリードしています。トゥイリオに続くライバルがCPaaS市場のわずか11.8%のシェアしかないのを見ても、トゥイリオの優位性は明らかです。

CPaaS市場は2026年まで年平均成長率34%で伸びていくと予想されており、この分野でのトゥイリオの優位な地位は長期的な成長への道を開くものと思われます。

CPaaS市場の規模は、2020年の45億4,000万ドルから2026年末には260億ドルに達すると予想されています。トゥイリオの2021年売上高は前年比61%増の28億4,000万ドルであり、将来市場の規模から見て十分に成長の余地があることがわかります。

特筆すべきは、クラウド対応コンタクトセンターの普及により、トゥイリオが長きにわたってこのような目覚ましい成長を遂げてきたことです。トゥイリオの売上はこれまでエヌビディアよりも速いペースで伸びています。エヌビディアの売上が2016年から463%増えたのに対し、トゥイリオの売上は1600%も増えています。

ガートナー社は、今年中にコンタクトセンターの50%がクラウドに移行し、2023年にはこの技術が主流になると予測しています。クラウドベースのコンタクトセンターは、物理的なコンタクトセンターと比較していくつかの利点があるため、これは驚くべきことではありません。例えば、クラウド型コールセンターは物理的なコンタクトセンターに比べて運用コストが27%安く、ダウンタイムが35%少ないため信頼性も高くなっています。

さらに、クラウドベースのコンタクトセンターを使用している企業は、物理的なコンタクトセンターと比較して、18%高い顧客満足度を報告しています。クラウドコンタクトセンターは、カスタマーサービス担当者がラップトップとインターネット接続、そしてトゥイリオなどが提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用意するだけで、安価で迅速なセットアップが可能です。その結果、オフィススペースや設備が不要となります。

クラウドベースのコンタクトセンターは、カスタマーサービス担当者がテキストメッセージ、ビデオ、ソーシャルメディア、電話、電子メールなどのさまざまなチャネルを通じて顧客と対話できるため、汎用性も高くなります。従来のコンタクトセンターは、音声チャネルに限定されており、より多くの顧客に対応するためには高価なハードウェアのアップグレードが必要なため、拡張が困難でした。

これらのことは、クラウド対応のコンタクトセンターへの移行が今後も続くことを示しており、長期的にはトゥイリオの対応可能な機会を拡大し続けるはずです。実際、ある第三者機関の予測によると、クラウドベースのコンタクトセンターは2030年までに450億ドルの売上を上げる可能性があり、これはトゥイリオの目の前に巨大なチャンスが待っていることを意味します。

トゥイリオの売上高は2022年に35%、2023年に30%増加し、来年末には50億ドルに達すると予想されています。さらに、トゥイリオは今年の推定1株当たり0.44ドルの損失に対し、2023年には0.26ドルの調整後利益を計上すると予想されています。

トゥイリオは上場以来、四半期ごとに堅実な成長を報告しているにもかかわらず、2021年、株価が大きく下落しました。

この下落により、トゥイリオの株価は、5年間の平均で売上高の16.9倍だったのに対し、現在は売上高の9.5倍で取引されており、以前より割安になっています。

長期的にエヌビディアのような利益をもたらす可能性のある株を買いたいと考えている投資家は、トゥイリオをよく見ておく必要があります。このクラウドプレーヤーは単に安いだけでなく、大きな利益をもたらす可能性のある市場で堅実に事業を展開しています。

*過去記事はこちら「トゥイリオ TWLO

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