アップルの消費者保護の動きがロクの起爆剤に

アップル(AAPL)が昨年行った消費者のプライバシー保護の動きは、フェイスブックなどの広告に依存するビジネスに打撃を与えましたが、ロク(ROKU)にとっては逆にこれが起爆剤となり得るという見方が出ています。

D.A. Davidsonのアナリストであるトム・フォルテ氏は、アップルの変更によって広告の効果に関するデータを探さなければならなくなったデジタル広告主を支援するのに適したものとして、ロク(ROKU)の広告プラットフォームが注目されていると述べています。

同氏はロクを「買い」と評価し、目標株価を200ドルとしています。ファクトセットの調べでは、アナリストの平均評価は「オーバーウェイト」、平均目標株価は184.75ドルとなっています。

広告主が効能のデータを求めることは、アップル(AAPL)のせいで難しくなっていると、フォルテ氏は経済誌のバロンズに語っています。

昨年末、アップルは、他のアプリやウェブサイトへの訪問に基づいて消費者に広告のターゲットを絞るプラットフォームの能力を低下させる方向に動きました。その影響は、フェイスブックやスナップ(SNAP)といった広告支援型SNS企業に及び、10月の時点で第4四半期が期待はずれの結果になるというガイダンスを発表することを強いられました。

結果は、スナップが第4四半期に驚きの利益計上を行って株価が急上昇した一方で、フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズ(FB)は、第4四半期の決算が予想より弱く、株価が大暴落と明暗を分けました。

そんな中、ロクはこの変化の恩恵を受ける側になる可能性があるそうです。フォルテ氏は3月21日に同社幹部にインタビューを行い、その中で、まだ初期段階ではあるものの、ロクの広告活動が 「アップルのプライバシー重視によって、ささやかなプラスの影響を受けている」ことを知ったということです。

カリフォルニア州サンノゼに本社を置くロクは、最も人気のある家庭用テレビストリーミングサービスの1つです。同社は2つのセグメント、プラットフォームとプレーヤーを通じて収入を得ています。

プラットフォームにはデジタル広告や関連サービスが含まれ、ストリーミングプレーヤーやテレビ関連オーディオ機器の売上はプレーヤー部門に計上されています。

フォルテ氏のメモによれば、ロクは広告認証の取り組みにより、期待通りの効果を上げているそうです。同氏は、ロクが最近導入したAdvertising Watermarkプログラムについて、広告が携帯端末やデスクトップ端末ではなく、TVストリーミング端末で視聴されていることを確認する技術であることが影響していると指摘しています。

この技術は、ロクが広告の取り組みを進めているショッピファイ(SHOP)のクライアントなど、さまざまな企業に提供されています。「これらの企業の中には、(以前)フェイスブックで広告を出していた企業もあるかもしれない」と、フォルテ氏はバロンズに語っています。

また、ロクは同氏に対し、ニュースの垂直展開がより多くの視聴者を引きつけ、ひいては広告主を引きつけ、追加コンテンツに投資できる現金を生み出していると述べたそうです。

同社はまた、企業、特に消費財メーカーや自動車メーカーが、供給難の山場を乗り越え、デジタル広告費を再配分した後、広告プラットフォーム(への支出)を倍増させると予想しているそうです。

*過去記事はこちら ロク ROKU

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