アップル 広告事業で100億ドル増収も

アップル(AAPL)が広告事業で売上を増やすことができるかもしれないと言うと、奇異に感じる人もいるかもしれません。

と言うのも、アップルが消費者の行動を追跡しにくくするiPhoneの新しいルールを展開しているために広告業界にどちらかと言えばマイナスの影響を与えていると見られているからです。

アップルの動きは、消費者の行動に関するデータを利用して的確な広告ターゲットを設定している企業、特にフェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズ(FB)にとって大きな問題となりました。

ただ、あまり知られていませんが、小規模ながらアップル自身も広告ビジネスを展開しています。

バーンスタインのアナリスト、Toni Sacconaghi氏は、アップルの2021年暦年の広告収入は約40億ドルで、2017年の推定3億ドルから増加したものの、同社全体の収入の中の割合として2%を大きく下回っていると推定しています。

その広告収入の大半は、App Storeの広告によるものだそうで、その他には、Apple NewsやStocksアプリのディスプレイ広告からもささやかな売上を上げているそうです。

Sacconaghi氏はまた、GoogleをiOSのデフォルト検索エンジンとする契約から、間接的にさらに大きな広告収入の流れが発生していることも指摘しています。

同氏は、この関係からの今年の収入は200億ドルに近づくと見積もっています。Googleとの契約と直接販売される広告からの収入を合わせると、アップルのサービス収入の30%、サービス事業の総利益の40%以上を占めると同氏は述べています。

さらに、Sacconaghi氏はリサーチノートの中で、アップルがもっと積極的なアプローチをとる可能性があると述べ、サードパーティのアプリ内にディスプレイ広告を設置する「オーディエンスネットワーク」事業をアップルが構築できると同氏は考えています。

Googleの親会社であるアルファベット(GOOGL)がすでにAndroidアプリでこれを行い、年間推定140億ドルから180億ドルの売上を上げていることをSacconaghi氏は指摘しており、アップルがiOSアプリの広告を販売することで、行く行くは100億ドルの増収を手にすることができると推定しています。

Sacconaghi氏は、アップルが以前、2010年に開始したiAdsというサービスで同様のことを試みたものの、広告の「充填率が低い」ことを理由に、2016年に閉鎖したことに言及、

「アップルがiAdで失敗したのは、アップルがネットワーク、クリエイティブプロセス、ユーザーデータをしっかりと握りたがっていたことなど、さまざまな要因が重なったためと考えられるが、その可能性は今後低くなると考えられる 」と見ています。

Sacconaghi氏は、アップルがサービス提供を拡大するにつれて、ユーザーに関する情報が増え、より効果的に広告のターゲットを絞ることができるようになったとし、「アップルはユーザーの年齢、性別、(Apple IDアカウントに登録された)正確なデバイスを把握している」と指摘しています。

「また、(Apple NewsやStockとのインタラクションから)ユーザーがどのようなトピックに興味を持っているか、どんな音楽を聴いているか、どんな本を読んでいるか、どんな番組や映画を見ているか、どんな定期購読をしているかも知っている。さらに、アップルは、同社の広告プラットフォームによって配信される広告とユーザーの相互作用に関するデータを持っている」と述べています。

もしアップルが実際にこのアプローチを取れば、Sacconaghi氏は、それは他の広告ネットワークにとって明らかに否定的な影響を持つだろうと見ており、 メタ(FB)とアルファベット(GOOGL)といった大手から、ユニティ・ソフトウェア(U)、アイロンソース(IS)といった小さな広告ネットワークプレーヤーまで広範囲な競争相手に影響を与えると考えています。

*過去記事はこちら 「アップル 広告事業が重要な収益基盤に

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