躍進が止まらない、世界の一大潮流となったクラウド・コンピューティング

今止められないメガトレンド。それはクラウド・コンピューティングへの移行です。世界中の数多くの企業が、より多くのビジネスとビジネスプロセスをデジタル領域に移行させる「デジタル・トランスフォーメーション」を実行中であり、クラウド・コンピューティングの導入を加速させています。

この止められない流れは、最新の決算発表の中にもはっきりと表れていました。

約1ヶ月前の決算発表で、マイクロソフト(MSFT)のMicrosoft Azureは最新四半期に46%、アルファベット(GOOGL)のGoogle Cloudは45%、そして市場をリードするアマゾン(AMZN)のAmazon Web Servicesは40%の成長を遂げました。クラウドの御三家と言っても良い3社のクラウド事業は加速度的に大きくなっています。

クラウドの強さは、シスコシステムズ(CSCO)やアリスタネットワークス(ANET)といった主要インフラプロバイダーや、エヌビディア(NVDA)やインテル(INTC)といった半導体サプライヤーの好業績にも表れています。

さらに先週の決算発表では企業向けハイテク企業からもこの強いトレンドが感じられました。

サーバー、ストレージ、ネットワークのハードウェアを製造するHPエンタープライズ(HPE)は、四半期で2%の増収を記録しました。全体としては微増の数字ですが、その中身を見ると、ウォール街の予測を上回り、同社のネットワーキング・ハードウェア部門であるArubaの受注が35%増加し、第3四半期連続で20%を超える受注増となっています。

フラッシュメモリ・ベースのエンタープライズ・ストレージを製造するピュア・ストレージ(PSTG)は、1月期決算で予想を大きく上回りました。「データに投資するためにシステムの更新を検討している企業(つまりすべての企業)は、当社をサプライヤーの1社として考慮しなければなりません」と、ピュアのCEO、Charles Giancarlo氏は述べています。ピュアはこの四半期に41%の成長を記録しました。これは、この4年間で最高の成長率です。

クラウドプレーヤーの主要チッププロバイダーである ブロードコム(AVGO)は、4月期の業績が1月期の16%成長から加速すると述べています。

この傾向は、ソフトウェア業界ではより顕著です。

Software-as-a-Service 分野の最大手であり、最も実績のある企業であるセールスフォース(CRM) は、昨年 280 億ドルで メッセージング・サービスの Slack を買収するなど、一部買収を通じて、クラウドベースのサービスを拡大させています。恒常為替レートベースでは、セールスフォースの売上成長率は4四半期連続で加速しており、最新の四半期では27%と、1年前の19%から上昇しています。

「デジタル・トランスフォーメーションは不変のトレンドだ」と、セールスフォースの共同CEOであるBret Taylor氏は述べています。

大企業向けに人事・財務管理ソフトウェアを販売するワークデイ(WDAY)でも、同じパターンが繰り広げられています。ワークデイは1月期に22%の売上成長を記録し、3四半期連続で売上が伸びています。

ボックス (BOX) はかつてクラウド・ストレージのプロバイダーでしたが、現在は企業が文書を管理、共有、保護するためのツール群を販売しています。同社は1月期の業績も予想を上回りました。

CEOのAaron Levie氏は、ボックスはハイブリッドワークへの移行、サイバーセキュリティへの注力の増加、そしてそれらを総合した「デジタル変革」によって利益を得ていると述べています。ボックスは四半期で17%の売上成長率を記録し、4四半期連続で上昇しています。1年前の売上成長率の増加はわずか8%でした。

主要クラウド銘柄の中で最も急成長している言われているのが、スノーフレーク(SNOW)です。同社は、御三家のパブリッククラウドの上で展開できるデータ分析ツールを販売しています。

スノーフレークは1月期に102%の成長を記録しましたが、これは驚異的ではあるものの、投資家の期待さらに大きく、この報告を受けて、株価は15%下落してしまいました。

CEOのフランク・スロートマン氏は、決算後のインタビューで、同社は最近ソフトウェアをより安価に使えるようにしたと語りました。スノーフレークは、かつて計算時間を1時間単位で販売していましたが、現在は1秒単位で販売しているとのことです。この調整により、同社の2023年1月の収益見通しは1億ドル近く悪化しましたが、スロートマン氏は、この動きが時間の経過とともに顧客のデータ利用に拍車をかけると見ています。

モルガン・スタンレーのアナリスト、キース・ワイス氏は、スノーフレークは、19世紀のイギリスの経済学者ウィリアム・スタンリー・ジェボンズにちなんで名付けられた「ジェボンズのパラドックス」という理論に賭けている、と述べています。これは、技術の進歩によって資源の利用効率が上がると、需要の増加によって消費率が上昇するという考え方です。

スロートマン氏はこの理論の信奉者で、「これは慈善事業ではありません。何かを安くすれば、人々はそれをもっと買うようになるのです」と述べています。

2020年9月に120ドルで上場し、すぐに2倍になったスノーフレーク株は、昨年11月に付けた400ドルの最高値から約45%下落しています。ウォール街では、この会社の価値をどう評価するかという議論が続いていますが、大きく下落した現在の水準でも、スノーフレークは2023年1月期の推定売上高の34倍という高値で取引されています。

しかし、スノーフレークは今年度の成長率を65%から67%と予想しており、アナリストの中にはもっと高くなる可能性があると考えている人もいます。昨年、スノーフレークは当初80%の成長を見込んでいましたが、最終的に106%増の売上高を記録するという実績を残しています。

躍進が止まらないクラウド・コンピューティング。このトレンドをどのようにポートフォリオに組み込んでリターンを向上させて行くかが、この先何年かの成長株投資のキーとなりそうです。

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