アマゾン AWSと広告の好調な業績、プライムの値上げで急騰

アマゾン・ドット・コム(AMZN)は2月3日の市場終了後、AWSクラウド部門と成長中の広告事業が好調であった第4四半期決算を発表しました。

アマゾンの株価は時間外取引で一時18%近い上昇を示しました。メタ・プラットフォームズ(FB)の予想を下回る決算で大きく下落したハイテク株のセンチメントが一変した観があります。

アマゾンはまた、アマゾンプライム会員の会費を2018年以来初めて値上げすると発表しました。アマゾンプライムの会費は今後、月額では12.99ドルから14.99ドルに、年額では119ドルから139ドルになります。この引き上げは、新規会員は2月18日から、現会員は3月25日の更新日から適用されます。

発表された第4四半期の売上高は、9%増の1,374億ドルで、ウォール街の予測とほぼ一致しており、同社の予測範囲である1,300億ドルから1,400億ドルと一致しています。同社によると、当四半期の売上高は、不利な為替レートの影響により約13億ドル減少しました。

純利益は、前年同期の72億ドル(1株当たり14.09ドル)から143億ドル(1株当たり27.75ドル)に急増しました。この利益には、EVトラックメーカーのリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)の株式評価益118億ドルが含まれています。

営業利益は35億ドルとなり、30億ドルという同社のガイダンスレンジを上回りました。

同社の中核事業であるオンラインストアの業績は、ウォール街の弱気派が懸念していたほどではないものの、低調でした。オンラインストアの売上高は、前年同期比1%減の661億ドルで、ウォール街の予測を約25億ドル下回りました。

サードパーティー・セラーによる販売サービスも同様で、売上高は303億ドルで、11%増加しましたが、ウォール街のコンセンサスである310億ドルには届きませんでした。実店舗での売上は、17%増の47億ドルでした。

クラウド部門の売上高は、前年同期比40%増の178億ドルとなり、前年同期の39%増からわずかに増加し、ウォールストリートのコンセンサス予想である174億ドルを上回りました。

広告事業も好調で、売上高は前年同期比32%増の97億ドルとなり、ウォール街のコンセンサス予想である94億ドルを上回りました。

サブスクリプションサービスの売上は81億ドルで、15%増でしたが、コンセンサスの84億ドルには少し及びませんでした。

AWSと広告の両分野での好調な業績は、アマゾンの多角化の推進力が高まっていることを示しています。

また、フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズ(FB)の12月の四半期決算報告で明らかになった問題は、必ずしもオンライン広告の広範な問題を示唆するものではないことを示しており、フェイスブックは、Googleの親会社であるアルファベット(GOOGL)やアマゾンにシェアを奪われている可能性があるとも考えられます。

AWSの好調な数字は、企業のコンピューティングがクラウドに移行しつつあることを裏付けています。同様にマイクロソフト(MSFT)とアルファベットの両社も、第4四半期にそれぞれのクラウドコンピューティング事業で力強い成長を報告しています。また、マイクロソフトは、Azureクラウド事業の成長が3月期に加速すると予測しています。

アマゾンのCEOであるアンディ・ジャシー氏は声明の中で、「予想通り、労働力の供給不足とインフレ圧力により、ホリデーシーズン中にコストが上昇しました。Covid-19のオミクロン型の影響でこれらの問題は第1四半期にも続いています。これらの短期的な課題にもかかわらず、パンデミックからの脱却に向けて、我々は引き続き楽観的でビジネスに期待しています」と述べています。

3月期のアマゾンの売上高は、3%から8%増の1,120億ドルから1,170億ドルとアマゾンは予想しています。また、不利な為替レートによって成長率が150ベーシスポイント低下するとしています。

営業利益は、サーバーやネットワーク機器の耐用年数の延長による減価償却費の減少10億ドルを含め、30億ドルから60億ドルになると見込んでいます。

AWSと広告の好調な業績、プライムの値上げ、そして中核のEコマース事業の業績が一部で懸念されていたほど悪くなかったことで、アマゾンはハイテク株全体のセンチメントを高めるのに十分な成果を上げたと言えるかもしれません。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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