ナスダック総合株価指数は現在、今年に入って約14.5％、ピーク時から17.5％下落しています。投資家は全般的にリスクを回避する傾向にあり、長期的に成長する可能性のある優良企業に資金を投入することの重要性が高まっています。そんな優良企業をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。
アマゾン（AMZN）
電子商取引の巨人であるアマゾンの株価は、今年に入ってから約16％下落しており、ナスダックの調整の要因のひとつとなっています。
この下落は決して利益確定によるものではありません。2020年のコロナ禍により大幅に上昇したあと、最良のシナリオは既に株価に折り込まれたとして、株価は2021年、鳴かず飛ばずでした。現在、株価は2020年の上昇分をほぼ半減させており、誰もが認める電子商取引の王者でさえ逆風にさらされていることを示しています。
しかし、この状況はアマゾンの持つ実力を反映したものではありません。
確かに、2020年のような年は二度と来ないと思われます。パンデミックのさなか、アマゾンはショッピングの手段として活躍しました。その新規顧客のほとんどは定着したようですが、彼らは必ずしもより多くの物を買っているわけではありません。
しかし、議論の中で見落とされているのは、オンラインショッピング事業の収益性をすでに超えてしまっているアマゾンウェブサービスが、まだ初期の段階にあるということです。
数年のうちに、アマゾンはeコマースも行うクラウドコンピューティング企業になろうとしています。最近の株価の下落を見ると、市場はこの点を考慮していないようです。
＊過去記事はこちら アマゾン AMZN
ネットフリックス（NFLX）
良いビジネスが売りに出されるときは、たいてい買い時です。ネットフリックスの株価は、これまでも散々な目に遭ってきました。1月26日の終値時点で年率40％の下落となったネットフリックスは、過去3年間でほとんど上昇していません。
定額制ホームエンターテイメント事業が長年にわたって拡大するにつれ、市場はネットフリックスを財務指標ではなく、加入者数の増加で評価することに慣れてきました。しかし、ネットフリックスは、2022年の第1四半期に250万人しか加入者を増やせないと予想しています。2021年の加入者数は1,820万人で、1四半期あたりの平均加入者数は455万人でした。
加入者数の伸びの鈍化に加え、2021年のフリーキャッシュフローがマイナスになると、ネットフリックスの2021年の売上高と純利益は損なわれることになります。
数年前、ネットフリックスは、超成長株の中で群を抜く存在と見られていました。現在、その成長は鈍化していますが、株価収益率はわずか34.6となっています。これは過去5年間で最も低い水準です。
現在のネットフリックスは、リーズナブルな価格でデジタルストリーミングに投資したいと考える人々にとって魅力的な選択肢となっています。
この業界はかつてないほど飽和状態にありますが、ネットフリックスはこの分野で誰もが認める業界のリーダーであり続けており、その地位をすぐに手放すことはないと思われます。
＊過去記事はこちら ネットフリックス NFLX
エアビーアンドビー（ABNB）
エアビーアンドビーは現在、年初来で17％、高値から35％下落していますが、忍耐強い投資家はこの安くなった株価を利用して勝利を得ることができます。
マクロ経済の逆風やパンデミック関連の問題は、旅行業界のリーダーであるエアビーアンドビーにとって引き続き不確実性の原因となっていますが、世界の多くの地域では正常な状態に近づきつつあるように見えます。
英国、アイルランド、オランダ、デンマークなどでは、最近、パンデミック関連の規制が緩和されており、さらに多くの国が追随する可能性があります。
仮にコロナウイルスの新種の出現などにより、この分野の見通しが再び悪化したとしても、エアビーアンドビーは第3四半期の業績が好調であり、同ビジネスに対する需要の高まりと市場シェアの拡大を示唆しています。
第3四半期の売上高は前年同期比で70％近く増加し、同社のパンデミック前の2019年の四半期と比較すると36％増加しました。一方、純利益は2019年第3四半期と比較して213％、前年同期比で280％増加しています。
エアビーアンドビーは、最近リスク回避の傾向が強くなっている市場において、成長に依存した銘柄です。さらなるパンデミックやマクロ経済の課題が発生する可能性があるため、さらなるボラティリティが発生する可能性がありますが、長期投資家が現在の価格でこの銘柄から印象的なパフォーマンスを享受できる可能性は十分にあります。
旅行・ホスピタリティ業界の見通しが大幅に改善されようとしており、エアビーアンドビーはそれを享受できる代表的な銘柄です。成長依存型の株式への投資意欲が減退しているため同社の株価は大きく下がっていますが、だからこそ今はエアビーアンドビーに投資する絶好のチャンスだと言えます。
＊過去記事 エアビーアンドビー ABNB