アップル(AAPL)は1月27日に12月期決算を発表します。強気派はiPhoneの売れ行きが好調であれば、トップラインと利益が予想以上に向上すると考えています。しかし、誰もがそう思っているわけではありません。
ゴールドマン・サックス証券のアナリストであるロッド・ホール氏は、アップルの株式を「ニュートラル」と評価している、以前からアップルに対して慎重なアナリストの一人です。今期も例外ではありません。同氏は、今期が期待外れに終わるリスクがあると見ています。
ホール氏は、小売売上高と中国の携帯電話販売台数のデータから、「12月の勢いはここ数カ月に比べて鈍い」と見ており、この傾向が、3月期のiPhone需要の見通しについてアップルが慎重なコメントを出すきっかけになると考えています。
また、アップルのサービス事業についても、App Storeと検索収入の成長が緩やかになっていることから、慎重な見方をしています。
同氏は、アップルは供給の制約に対して計画よりもうまく実行した可能性があるとしながらも、サービス事業と四半期後半のiPhone需要の減少の両方が、「四半期と見通しの両方のコメントにリスクを加える」としています。
サービス部門については、2021年9月期の成長率が27%で、過去2年間の各年度の約16%から加速しているとしながらも、ホール氏は、アプリのトラッキング企業であるSensor Towerのデータが、2021年暦年を通してApp Storeからの売上成長が減速したことを示唆していると指摘しています。
また、今回のアップルの会計年度第1四半期は12月31日ではなく12月25日に終了しており、通常は好調なクリスマス後の週の売上が会計年度第2四半期に押しやられているともホール氏は指摘しています。
そして、「広く知られるようになった供給不足により、消費者は年末商戦を前倒しした可能性があり、12月のデータは通常の年に比べて解釈が難しい」と述べています。
同氏は、12月の米国の小売売上高は3.1%減で、「予想よりもはるかに弱い」と指摘。さらに、ネットフリックスの加入者数の伸び悩みや、ペロトン製ハードウェアの需要の低下は、過去2年間アップルに恩恵をもたらしてきたパンデミック時代の需要の高まりが弱まっていることを示唆しているとしています。
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