ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラグ氏は、電気自動車大手のテスラ(TSLA )の長年の強気派で知られています。
2019年、テスラ株が300ドルを下回っていたときに、同氏は500ドルを超える目標株価を掲げていました。テスラの時価総額がおよそ600億ドルだった頃の話です。
以来、同氏はほとんどの場面でテスラへの強気の姿勢を崩していませんが、12月8日、新たな目標株価を設定。それまでの1,298ドルから1,580ドルに引上げることを発表しました。
この価格は、中国証券のアナリストであるZhu Yue氏の1,485ドルを抜き、アナリストの目標株価としては最高値となります。
2022年の「複数の強力なカタリスト」が、今後数ヶ月の間に株価を上昇させる可能性があると、フェラグ氏は8日付けのレポートで書いています。その中には、第4四半期の上振れ、テスラの上海工場での好調な生産、ドイツとテキサス州での新たな生産能力の稼働、テスラのEV用の新しいバッテリーなどが含まれます。
フェラグ氏は、第4四半期にテスラが約28万3,000台の車両を出荷すると予想していますが、ウォール街では約26万6,000台と予想されています。さらに、同氏は2022年のテスラの販売台数を約150万台と予想しています。現在のウォール街の予測では、2022年の販売台数は約130万台から140万台となっています。
この販売台数の増加は、テスラの2つの新しい製造施設によるものです。
「2つの工場の立ち上げにもかかわらず、マージンは拡大すると予想している」とフェラグ氏はしており、2022年末までに粗利益が30%を突破し、現在の20%半ばから上昇すると予想しています。
同氏によれば、来年も、電池が同社の利益に貢献するとのこと。年末には4680の生産が本格化し、そこから急成長すると予想しています。
「4680」とは、テスラが採用を予定している円柱型のバッテリーのことです。電池が大きくなると、コストが下がり、性能が向上します。4680 の “46 “は直径(ミリ)、”80 “は長さ(ミリ)を意味しています。テスラなどで使われている現世代のEV用バッテリーは、「2170 」と呼ばれており、これは、直径21ミリ、長さ70ミリを意味します。
ちなみに、家電用の単三電池は、直径14ミリ、長さ50ミリくらいです
ウォール街のテスラ株の「買い」評価比率は、フェラグ氏が以前から「買い」としていたため、変化はありませんでした。全体として、テスラ株をカバーしている約50人のアナリストのうち48%が「買い」と評価しています。S&P500の銘柄の平均的な「買い」評価比率は約55%です。
アナリストの平均目標株価は、この1ヶ月で約50ドル上昇し、約830ドルとなりました。