リヴィアン・オートモーティブ(RIVN)の株価が11月22日、再び大きく下落しています。
リヴィアン の株価は一時約15%下落し、108.50ドルとなりました。これは、11月10日に公開市場にデビューして取引を開始したときの水準である106.75ドルを2ドル弱上回る水準であり、IPOで得た利益をほぼ全て吐き出した形になっています。
リヴィアンは11月9日に78ドルで株式を販売しましたが、ほとんどの投資家はそのバーゲンプライスの株式を手に入れることはできませんでした。この価格は、IPOプロセスを運営するブローカーによって株を割り当てられた、主に機関投資家が支払ったものです。
下落の要因はいくつか考えられます。ひとつは、先週金曜日に11月19日にフォード・モーターが「共同の車両開発や車台共有を追求しないことで合意した」とリヴィアンとEVを共同開発する計画を取りやめたこと発表したことが考えられます。
そして、もうひとつ要因は、テスラ(TSLA)の影響です。現在、テスラとリヴィアンとの関係は、一方が上がれば、一方が下がるという相関関係になっています。
Data Trek ResearchのNicolas Colas氏は、リヴィアンのIPO直後に、テスラ株から資金が流出してリヴィアン株に流入するかもしれないと書きました。同氏は、投資家がテスラの株式の一部を売って、次の大物になる可能性があると見られているリヴィアンを買うと見ています。
この資金流入説は、一定の支持を得ているようです。リヴィアンが取引されている9日間のうち6日間は、2つの銘柄が反対方向に動いています。テスラの株価はリヴィアンが下落すると上昇し、リヴィアンが上昇すると下落しています。
テスラの株価は11月22日の取引で4.6%上昇しました。イーロン・マスクCEOが、テスラは2022年3月までに中国でModel S Plaid edition(同社最速の車)を販売するかもしれないとツイートしたことで、テスラに資金が戻ってきています。
テスラの上昇にはもうひとつの要因もあるようです。同社が再び株式を分割するのではないかという憶測が出ているのです。フューチャー・ファンド・アクティブETF(FFND)のマネジャーであるゲイリー・ブラック氏は、株式分割が行われるかもしれないと考えています。
ブラック氏によると、イーロン・マスク氏の株式販売が一段落したことや、テキサス州やドイツでテスラの新工場が稼働していることも、22日の上昇の背景にある可能性があるとのことです。
長期的には、リヴィアンがテスラと同じようにEV市場でシェアを獲得することができれば、どちらの銘柄も成功する可能性があります。しかし、リヴィアンが年間数十万台のEVを販売できるかどうかは、まだ分かりません。