クアルコム アップルへの依存度を下げる計画を発表

クアルコム(QCOM)の経営陣は、11月16日の投資家向け説明会で、モバイル事業をアップルへの依存から脱却して多様化する計画を説明しました。投資家はその内容を支持しているようです。

クアルコムの11月16日の終値は前日比7.89%増の181.81ドルとなりました。株価は2021年に入ってから19%上昇しています。

アップル(AAPL)がクアルコムのベースバンドチップのみを使用していた状況からどの程度早く脱却するかについては疑問が残りますが、クアルコムは、2023年の発売時にiPhoneのシェアが20%にとどまるとの見通しを示しています。

パイパー・サンドラーのアナリストであるHarsh Kumar氏によると、これは保守的な仮定だそうです。同氏は、アップルが一夜にしてそのような動きをするとは考えておらず、以前は2023年に発売されるiPhoneの約半分にクアルコムがチップを供給すると予想していました。

「そのため、20%という目標は適切かつ保守的だと考えており、アンドロイド向けの成長に伴い、アップルの影響はビジネスモデルを破壊するものではなく、小さなスピードバンプになると予想している」とKumar氏は書いています。

クアルコムは、モバイル事業の安定した成長に加えて、自動車や「モノのインターネット」などの分野でより速い成長を目指す計画を発表しました。

「モノのインターネット」とは、スマートホームのように、テクノロジーによってワイヤレスで接続されたモノを指します。

Kumar氏は16日に発表したレポートの中で、クアルコムが長年にわたって培ってきた携帯電話用チップの研究開発を、タブレットやパソコンに加えて、このような分野で専門知識を活用するためのジャンプポイントとして強調しています。

「これらの技術を活用することで、クアルコムは独自のコストポジションを得ることができると考えている。携帯電話ですでに大きな仕事をしてきたクアルコムにとって、これらの市場に参入するための追加コストは最小限で済む」とKumar氏は書いています。「最終的には、クアルコムはモバイル分野での技術的リーダーシップを活用して、エッジ分野でのリーダーになるだろう」と同氏は見ています。

パイパー・サンドラーはクアルコムの自動車関連の売上が5年後に35億ドルに達すると予想しています。Kumar氏は、投資家説明会の後、2023年度の業績予想を上方修正しました。1株当たり利益は11.96ドル、売上高は445億ドルとし、前回の11.11ドル、425億ドルから上方修正しました。

また、目標株価を190ドルから225ドルに引き上げ、クアルコムが依然としてパイパー・サンドラーが推奨する大型株の最有力銘柄であることを強調しました。

「クアルコムは、ほぼすべての分野で健全な成長が見込まれており、複数年にわたる成長路線を歩んでいると考えている」と述べています。

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