クアルコム（QCOM）は11月16日にインベスター・デイを開催する予定です。J.P.モルガンのアナリストは、新CEOのクリスティアーノ・アモンが、コアであるスマートフォンのベースバンド市場以外の多角化のための強力な目標を設定するチャンスだと見ています。
J.P.モルガンのアナリストSamik Chatterjee氏は、クアルコムの株式を「オーバーウェイト」と格付けし、目標株価を200ドルに設定しています。
11月12日付けのメモで同氏は、同社の多様化への取り組みがプレゼンテーションの前面に出てくる可能性があると書いています。
また、同氏は、一部の投資家の間では、5Gスマートフォン市場は技術の普及に伴い、いずれ循環的になるという認識があり、株価は割安だと考えています。クアルコムは、スマートフォン向けの半導体を供給しています。
「投資家の認識とは対照的に、当社はクアルコムの携帯電話以外への多様化は、現時点で評価されているよりもはるかに強力な足腰を持っていると考えている。また、来るべき投資家説明会では、トップラインと利益成長の両方について、長期的な成長要因に関する投資家の期待を上回る堅調な見通しが示されると見ている」とChatterjee氏は書いています。
クアルコムの株価は11月12日の取引で0.32%上昇し、164.94ドルとなりました。2021年の株価は全体の市場に遅れをとっており、年初来では約8%の上昇となっています。
また、Chatterjee氏は、アップル（AAPL）が5G iPhoneのベースバンドをクアルコムをサプライヤーとして使わず、独自のベースバンドモデルにピボットする可能性についての懸念は、大げさだと考えています。
仮にアップルがクアルコムへのライセンス収入の支払いを中止した場合、Chatterjee氏は1株当たりの利益が2.60ドル増加すると予想しています。同氏によると、それを考慮に入れても、株価は割安に見えるとのことです。
Chatterjee氏は、その可能性を考慮すると、クアルコムは2024年度の1株当たり利益予想の14倍で取引されていると書いています。このことは、「非スマートフォン市場に起因する収益の割合が増加しているにもかかわらず、株価は半導体企業のレンジの下限に位置し、スマートフォンのチップセットサプライヤーに近い水準で取引されている」ことを示唆していると書いています。
Chatterjee氏は、クアルコムが2019年の投資家向け説明会で発表した目標をすでに達成し、予定よりも1年早くマイルストーンに到達したことに注目しています。このような実績により、投資家は16日に提示されるいかなる目標に対してもより安心できるはずだと、同アナリストは述べています。