フェイスブックがメタと改名して以来、メタバースの話題はいたるところで聞かれるようになりました。しかし、エヌビディアのような企業は、すでに独自の仮想世界の構築に取り組んでいます。創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏は、この技術とエヌビディアの立ち位置について、広大なビジョンを持っています。
フアン氏は、Yahoo Finance Liveのインタビューで、「これはインターネットの3D化であり、我々が現在享受している3Dの物理的世界よりもはるかに大きなものになるでしょう」と語りました。
続いて、「バーチャルな世界の経済は、物理的な世界の経済よりもはるかに大きなものになるでしょう。バーチャルワールドで作られ、デザインされた車、建物、道路、家、そして帽子、バッグ、ジャケットなどが増えていくでしょう」と述べています。
Yahoo FinanceのDan Howley氏は、メタバースを 「拡張現実や仮想現実、あるいはスマートフォンからアクセス可能な永続的かつ仮想的な世界」と定義しています。
現在、消費者にとって最も身近な存在となっているのは、プレイヤーが戦いを繰り広げる「フォートナイト」のようなビデオゲームや、アリアナ・グランデなどのアーティストがバーチャルコンサートを開催することでしょう。また、VRヘッドセットを使って「Beat Saber」をプレイしたり、「Matterport」のようなバーチャルプラットフォームを使って、ラップトップや携帯電話で家を見学したりすることで、メタバースに入り込むことができます。
エヌビディアは、ユーザーが仮想世界を構築できるオープンソースのツールであるOmniverse(オムニバース)プラットフォームを通じて、メタバースとつながっています。
今のところ、アプリケーションのほとんどは企業向けです。カンファレンスでは、オムニバースを使って構築されたデジタルツインの活用が紹介されました。例えば、エリクソンは、5Gネットワークをどのように敷設するのが最適かを検討するために、都市の仮想版を作成しています。
フアン氏は、仮想化、人工知能、ロボティクスの融合がもたらす可能性に大きな期待を寄せています。メタバースでは、ロボットが何百万ものシナリオを実行して学習し、その後、より賢いロボットとして物理的な世界にアップロードされます。
「物理的な世界には何百万台ものロボットが存在しますが、オムニバースの世界、つまり仮想世界には何十億台ものロボットが存在することになります。そして、この何十億ものロボットが物理的なロボットになるための学習をしています。100万台のロボットが1台の良いロボットになるための学習をしているかもしれません」とフアン氏は語っています。
同様に、いわば別の種類のロボットである自律運転ソフトウェアは、物理的な世界で学習することによる安全性のリスクを負うことなく、仮想世界で何百万もの運転シナリオを実行して、最適な反応を学ぶことができます。
メタバースはまだ初期段階にありますが、フアン氏は、私たちは大きな変化を迎えようとしていると言います。
「オムニバースは、人々が思っている以上に身近なものなのです」と同氏は語っています。