ペイパル・ホールディングス(PYPL)は11月8日、四半期決算を発表し、同社のピアツーピア決済サービス「ベンモ」の米国のユーザーが来年からアマゾン・ドット・コムで支払いができるようになることを明らかにしました。
ペイパルの第3四半期の売上高は、アナリストの予想では62億3,000万ドルであったのに対し、61億8,000万ドルと予想を下回りました。
第3四半期の純利益は、前年同期の10億2,000万ドル(1株当たり86セント)に対し、10億9,000万ドル(1株当たり92セント)となりました。
株式ベースの報酬やその他の費用を調整した後の1株当たりの純利益は1.11ドルで、前年同期の1.07ドルから増加しました。ファクトセット調べではアナリストは、調整後の一株当たり利益を1.07ドルと予想していました。
同社の総支払額(システムを経由した支払額)は3,100億ドルで、前年同期比26%増となりました。アナリストは、TPVを3,125億ドルと予想しており、これを下回っています。
ただ、ペイパルによると、イーベイ(EBAY)の貢献を除くと、TPVは31%増加したとのことです。イーベイは、独自の決済システムへの移行を進めています。
ベンモは、前年比36%増の600億ドルのTPVを処理しました。ペイパルは、米国のベンモユーザーが来年初頭からアマゾンでの買い物を同サービスで支払うことができるようになると発表しています。
最高経営責任者のダン・シュルマン氏は、「今回のアマゾンとの契約は、アマゾンとのエキサイティングな旅の始まりだ」と語りました。同氏は、ペイパルがこのような協定を結ぶことができる柔軟性は、同社とイーベイとの関係が変化した結果であると述べています。
ペイパルは、2015年にスピンアウトしたときのように、イーベイの主要な決済パートナーではなくなり、また、他の加盟店との関係を追求する自由を持っています。
シュルマン氏は、今回の合意を 「ベンモのマネタイズの取り組みにおいて意味のある瞬間」と呼んでいます。また、ウェドブッシュのアナリストであるMoshe Katri氏も、この動きを「ポジティブな」展開としています。
またシュルマン氏は、アマゾンとの提携が始まる前であっても、ペイパルは今年中にトランザクション・マージンがプラスになると見込んでおり、2021年には9億ドルの売上を達成できると考えているとも述べています。
売上などアナリストの予想に届かなった決算となったことから、株価は11月9日の市場終了後の時間外で4.39%減の219.35ドルで取引されています(米国東部時間7:00PM)。
*過去記事はこちら「ペイパル PYPL」