2年前に3,236基の衛星を打ち上げる計画を発表したアマゾン(AMZN)の衛星子会社であるカイパー・システムズがベライゾン(VZ)との契約を発表しました。
両社は声明の中で、「この統合は、プロジェクト・カイパーチームがすでに進めているアンテナ開発を活用するものであり、両社のエンジニアリングチームは現在、全米の農村部や遠隔地のコミュニティに固定無線のカバレッジを拡大するための技術要件を定義するために協力している」と述べています。
今回の提携により、アマゾンは、ライバルであるイーロン・マスク氏の「スターリンク」との宇宙開発競争に拍車をかけることになります。
マスク氏のスペースXも、宇宙を利用したインターネットサービスを提供しています。しかし、カイパーとは異なり、低軌道衛星のコンステレーションであるスターリンクはすでに機能しており、1,800機の小型衛星を打ち上げています。
モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は以前、スターリンクの価値は400億ドルから1300億ドルになると書いています。その当時、宇宙には600から700の衛星が打ち上げられていました。
それに比べて、プロジェクト・カイパーはほぼ「1,000億ドルのチャンス」であるとジョナス氏は述べています。アマゾンは、カイパーに約100億ドルの投資を予定していると言われています。
ニュー・ストリート・リサーチのフィリップ・バーネット氏は、両社の提携により年間合計で24億ドルの売上を上げることができると計算しており、売上を分割したと仮定すると、ベライゾンの1株当たりの利益に10セントから15セントを加えることができると述べています。
バーネット氏は、「遠隔地の鉱山やトラック会社など、さまざまな産業界がこの提携によるユビキタス接続の恩恵を受ける可能性が考えられる」と書いています。