ピンタレスト ペイパルによる買収報道への評価

ピンタレスト(PINS)の買収に向けて、ペイパル・ホールディングス(PYPL)が交渉中であるとの報道を受けてピンタレストの株価が高騰しています「ピンタレスト ペイパルによる買収報道で株価が急上昇」。

トゥルイストのアナリストであるアンドリュー・ジェフリー氏は、この報道が事実であれば、「意味が全くない」と述べ、ペイパルの収益成長の持続性に関するトゥルイストの懸念を際立たせることになるとしています。

さらに、この動きは、ペイパルが競争の激化とベンモの収益化の遅れに直面している中で、「ほぼ絶望的な行為」であると見ています。

同氏は20日に、「我々はこの潜在的な取引に当惑しており、戦略的合理性はほとんどないと考えている。多くの点で、ペイパルとピンタレストの合併は、ペイパルの歴史的なイーベイ(EBAY )との関係を彷彿とさせる。イーベイとの関係の解消は大きな株主価値を生み出したと我々は考えている」と述べています。

また、このような合併は、ペイパルの他の大規模なマーケットプレイスの顧客との対立を生み、リスクを増大させる可能性があることも同氏は指摘しています。

一方、ウェドブッシュのアナリストは、ペイパルのマーチャントおよびコンシューマー向けプラットフォームの双方における収益化の取り組みにとって、この組み合わせの可能性は「大きなプラス」であると見ています。

ピンタレストのプラットフォームは、アプリ上でのネイティブペイメントの展開を目指すなど、ショッパビリティを高めることでデジタル広告主にとって重要なチャネルであることが証明されているとのことです。

「これは確かに独創的な組み合わせだが、その根底にあるのは、ソーシャルコマースという成長しつつある重要なテーマであり、決済ビジネスと買い物可能なソーシャルアプリの統合は、我々の見解では前向きなものだ」と、同社のチームは20日に書いています。

米国みずほ証券のアナリスト、ダン・ドレヴ氏も、この買収はペイパルがインターネットやeコマースを「より深く掘り下げる」ための新たな手段になると考えています。

また、この買収により、ピンタレストの4億5千万人のアクティブユーザーの一部が、ペイパルの現在の4億人のユーザーに加わることになるとも指摘しています。

しかし、同氏は、両社のユーザー層がどの程度重複しているかについて懸念を示しました。また、ピンタレストのユーザー数が減少していることも問題であると指摘しています。

「今回の買収は、PYPLの下期の有機的な新規追加が期待よりも弱くなることを示唆している可能性がある」とドレヴ氏は述べています。

R/GAのシニアストラテジストであるジュリアン・アレクサンダー氏は、声明の中で「これは、フェイスブックやTikTokに対抗するための努力だ」と述べています。

「今、Web3で勢いよく並んでいる米国のビッグプレイヤーは、決済、デジ/フィジカルプロダクト、インスピレーション、ソーシャル機能、コミュニティ、キュレーションを一つのプロダクトにまとめているものだ」と同氏は述べています。

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