マイクロソフト(MSFT)は10月26日に2021年7〜9月期決算を発表する予定になっています。その発表を1週間後に控えて、10月20日には2人のアナリストが株価の目標値を引き上げました。
ウェドブッシュのアナリストであるダン・アイブズ氏は、アウトパフォームの評価を再度表明するとともに、株価の目標価格を350ドルから375ドルに引き上げました。株価は10月20日の取引で0.27%下落し、307.41ドルとなっています。
アイブズ氏はリサーチノートの中で、「Azureクラウドの成長ストーリーが次の成長のギアに入ったことで、マイクロソフトの9月の四半期チェックでは、再び力強さが増している」と書いています。
また、同氏は、「この四半期もピカソのような傑作を生み出し、市場予想を大幅に上回る数字を達成するだろう」と予想しています。
アイブズ氏は、パンデミックや在宅勤務のトレンドから脱却したAzureの見通しについて、ウォール街の一部の人々は弱気になりすぎていると指摘します。同氏は、「取引の流れは徐々に強くなっている」と主張し、この銘柄を「お気に入りの大型クラウドプレイ」と呼んでいます。
ジェフリーズのアナリスト、ブレント・シル氏も同様に「買い」の評価を繰り返し、目標株価を345ドルから375ドルに引き上げています。
しかし、同氏のメモのトーンはより穏やかです。同氏は、今期は新年度の中で最も簡単な比較対象に直面しているとしながらも、今後の課題についても言及しています。
同氏は、Azureパブリッククラウド事業、セキュリティソフトウェア、Teamsコラボレーティブコミュニケーションスイートなどの「耐久性のある成長ポートフォリオ」により、これらの課題に対応できるとしています。
シル氏は強気の姿勢を崩していませんが、売上高が2,000億ドル以上に近づくにつれ、現在の成長ペースを維持するのは難しくなるだろうと注意を促しています。
一方、カウエンのアナリストであるJ. デリック・ウッド氏は、同社の株価に対するアウトパフォームの評価と320ドルの目標値を維持しつつ、業界のデータから、クラウド・インフラストラクチャ事業の第4四半期における「意味のある成長の加速」が示唆されていると指摘しています。
同氏によると、Azureは恒常通貨ベースで前年比45%以上の成長が見込まれ、過去1年以上で最高の成長率となります。これにOffice 365の値上げが加われば、株価は 「より強力なパフォーマンスを発揮できる 」と同氏は書いています。