アルファベット YouTubeクリエイターへ300億ドルを支払い

YouTubeは8月23日、広告費、商品化、その他の現金を生み出す機能から生み出された財源から、過去3年間で300億ドルをさまざまなクリエイターに支払ったことを開示しました。

突然の開示だっただけに市場には驚きが走りましたが、同社がサイトの膨大なコンテンツにどれだけの費用をかけているかを投資家に示すものであり、有益な情報として歓迎されています。会計基準に準拠した財務諸表でのより正確な開示ほどの信頼性には欠けるとの留保付きではありますが。

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YouTubeが300億ドル支払ったという事実の開示は、ハイテク企業が魅力的なコンテンツを確保するために多額の費用を惜しまないことを示すひとつ事例として興味深いものです。

最近では、フェイスブックが2022年末までに10億ドルの支出を発表したほか、バイトダンス傘下のティックトックがクリエイターズファンドに数億ドルの拠出を表明するなど、さまざまな例が挙げられます。

このような支出は、ネットフリックス(NFLX)がコンテンツにお金を払うのと全く同じではありませんが、近いものがあります。

今回の発表によって、YouTubeとネットフリックスを比較するための情報が少しだけ増えました。

バロンズ誌がビッグテックに関する最近のカバーストーリーで指摘したように、YouTubeのビジネスは、少なくとも売上を見ればネットフリックスと肩を並べるものです。アルファベット(GOOGL)の子会社であるYouTubeの今年の広告収入は287億ドルと予想されているのに対し、ウォール街の予想ではネットフリックスの加入者収入は297億ドルとなっています。

ネットフリックスは、コンテンツにどれだけの費用をかけているかを投資家に伝えていますが、本当の数字を知るためには、ちょっとした工夫と精読が必要です。

また、アルファベットとは異なり、ネットフリックスは基本的にコンテンツライブラリの購読料を販売する単一事業であるため、投資家は粗利益率を利用してこれらのコストを把握することもできます。今年のネットフリックスの営業利益は62億ドルで、粗利益率は21%と予想されています。

アルファベットの場合、投資家はこれほど多くの情報を得ることはできません。YouTubeは広告収入のみを公開しており、サブスクリプションやその他のサービスによる売上は公開していません。

アルファベットは、Google Cloudを除くすべての部門を含むGoogle Servicesセグメント全体の営業利益と、Other Betsに含まれるムーンショットプロジェクトの営業利益のみを開示しています。コンテンツへの支払いも含めて、アルファベットがYouTube全体にどれだけの現金を費やしているかを正確に知ることは困難です。

今回の開示により、投資家は、YouTubeが300億ドルを費やしたことは分りましたが、それが一体いつなのか?どの四半期に使ったのか?また、その金額は同社の財務諸表のどこに記載されているのか? といったより具体的な事実については不明のままです。

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