今年の秋に従業員をオフィスに戻すことを計画している企業もありますが、「どこでも仕事ができる」という考え方は、デルタ株によるパンデミックが続いている現状では、引き続き広まって行きそうです。
企業は、オンプレミスの機器やクラウドベースのアプリケーション、データのセキュリティをさらに強化する必要があります。バロンズが、その恩恵を受けることになる3つの銘柄を取り上げていますので、ご紹介します。
パロアルトネットワークス(PANW)
パロアルトネットワークスは、オンプレミスのアプライアンス向けにネットワークセキュリティを販売しています。同社はクラウド・セキュリティにも投資しており、人気を博しています。
BTIGのアナリストであるグレイ・パウエル氏は、パロアルトが今後数年間で年率20%の収益成長を実現すると予測しています。
また、2023年の推定フリーキャッシュフローの18倍という株価は、同分野の高成長株よりも割安だと同氏は考えており、株価は最近の386ドル付近から、今後1年間で460ドルになると予想しています。
Zスケーラー(ZS)
クラウドセキュリティでは、様々なネットワークセキュリティサービスを単一のクラウドベースモデルに統合したZスケーラーをパウエル氏は推奨しています。
ウォールストリートでは、7月に終了する四半期のZスケーラーのサービスの新規予約は、前年同期比43%増の2億7800万ドルに達すると予想しています。
パウエル氏は、ネットワークやアプリケーションのクラウド化が進む中で、クラウド・セキュリティの強化は、企業のIT部門にとって今年の最優先課題になるだろうと述べています。
Zスケーラーは、クラウド・セキュリティの分野では、年率40%の長期的な売上成長が期待できる「ピュアプレイの代表的企業」だとパウエルは言っています。
センチネルワン(S)
センチネルワンは、ラップトップやその他のデバイスをマルウェアから保護する「エンドポイント」セキュリティ製品を販売しています。
この分野では、クラウドストライク(CRWD)の方が規模が大きく、定着していますが、センチネルも人気を集めています。
調査・コンサルティング会社のガートナーによると、センチネルは過去2年間でエンドポイントプラットフォームの10位から4位へと順位を上げています。
売上高は、現在の2022年1月期の1億7,600万ドルから、2023年1月期には72%増の3億200万ドルになると予想されています。
サイバーセキュリティ関連銘柄の大きな懸念はバリュエーションの高騰です。
パロアルトは業界の中では比較的安価に見えますが、それでも2022年の推定利益の50倍で取引されています。
Zスケーラーは、2022年の売上の340倍ですが、これは規模の拡大に伴って意味のある利益が得られるという投資家の自信を反映したものです。
センチネルは6月に35ドルで上場し、最近では51ドル前後で取引されていますが、一般に認められた会計原則に基づいて1株当たりの利益を上げるのは、少なくとも2024年度になると予想されています。
サイバーセキュリティ関連銘柄を保有するにあたって覚悟すべきことは、株価の乱高下が激しいことです。
高成長・高倍率のハイテク株が大きく下がるような市場展開のときには、ひときわ大きくその影響を受けることになります。
また、その一方で、ランサムウェアやその他のタイプの大規模なハッキングが起こった場合には、このセクターは急上昇する可能性もあります。