ロク決算 市場が驚かなった驚くべきこと/ARKは押し目買い

A consumer in a home using a modern smart television to stream various content.

8月4日に決算を発表したロク(ROKU)。「ロク決算 予想を上回るもストリーミング視聴減少で下落

市場は驚かなかったようですが、発表された業績には目を見張るようなものがありました。

第2四半期の売上高は81%増の6億4,510万ドルとなり、アナリストが目標としていた6億1,850万ドルを大きく上回りました。

これは、前年同期比で横ばいだったプレーヤーの売上を、プラットフォームの売上が117%増加したことで支えたものです。

利益率の高いプラットフォーム事業が好調であることから、ロクの収益がさらに急成長しているのも不思議ではありません。

ロクの売上総利益は、4月、5月、6月と2倍以上に増加しています。

ロクの純利益は1株当たり0.52ドルで、前年同期の赤字を解消しました。税務上の優遇措置により利益が膨らんでいますが、それでもウォール街のプロたちが予想していた1株当たり0.12ドルをはるかに上回るものでした。

ロクは、今期の売上は減速していると見ています。ガイダンスの中間値では、トップラインの成長率は51%となっていますが、アナリストの予想を大きく上回っていました。しかし、この報道を受けて、ロクの株価は一時的に急落しました。

ロクは単にトップラインとボトムラインが好調というサクセスストーリーではありません。

利用者数は増加傾向にあり、上昇傾向にあるストリーミング市場においても、ロクはシェアを拡大しています。

また、収益力も向上しています。ユーザー1人当たりの平均売上は過去1年間で46%上昇しており、これはアクティブアカウントが28%増加したことによるものです。

ここまでであれば、完璧な四半期でしたが、実際はそうではありませんでした。

ロクは、サプライチェーンの制約により、デバイスやスマートTVの売上が減少し、そこでのコスト増加がハードウェアのマージンを圧迫すると警告しています。

現在、トップライン構成比の83%を占める、同社の主力事業であるプラットフォームの売上も、目先の逆風にさらされています(この事業は過去1年間で2倍以上に拡大しました)。

営業費用は、人員の増加、製品開発、セールス&マーケティングに関連する費用の増加により、増加しています。

第3四半期には、調整後のEBITDAが前四半期に比べて大幅に減少し、収支はかろうじて黒字になると予想しています。

さらに投資家が注目したマイナス点がストリーミング時間の問題。

第2四半期のアクティブアカウント数は、第1四半期に比べて150万件増加の5,510万件となりましたが、ストリーミング時間は174億時間と、第1四半期に比べて10億時間減少しました。

調査会社ファクトセットによると、この数字はコンセンサス予想の194億時間を20億時間下回りました。

同社は、株主への手紙の中で、第2四半期には、需要の高まりとCovid-19規制の緩和を背景に、消費者が家庭外のエンターテインメントにシフトしたと指摘しています。

これらの予想を下回る事実が明らかになったことから決算発表直後からロクの株は下落に転じ、決算発表前の8月4日の終値から約8%減の391.47ドルが8月6日の終値となっています。

しかし、株価が下落を続けるなか、キャシー・ウッド氏率いるARKインベストがロクを買い始めたことが報じられています。

ARK インベストが最後にロクの株式をそのETFに追加したのは、3ヶ月近く前の5月12日。それ以来ARKはロク株の売却を続けポジションを調整していました。

どうやらキャシー・ウッド氏は今回の下落は短期的なもので、買いの好機と判断したようです。

ロクは市場シェアを拡大し、成長株としての地位を確立しつつあります。マネタイズが改善され、独占コンテンツに投資することで強化を図りつつあるロクの長期的な見通しは素晴らしいものです。

株価は当面冴えない動きを続けるかもしれませんが、長期的な投資視野を持つ成長投資家にとっては押し目買いのチャンスかもしれません。

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