好況、不況に関係なく着実に成長すると考えられているのがクラウド・インフラストラクチャ市場です。
この市場における代表的な企業が、アルファベット(GOOG/GOOGL)、アマゾン(AMZN)、そしてマイクロソフト(MSFT)の3社。
この3社はいずれもキャッシュリッチなバランスシートを持っているだけでなく、クラウド・インフラストラクチャ業界の基幹となる規模、能力を有しています。
現在、クラウド・インフラ・ジャイアンツと呼べるのは、この「ビッグ3」だけと言っても過言ではありません。
昨年のコロナ禍では、クラウドコンピューティングの柔軟性が重要な能力であることが証明され、クラウドの利点がさらに明らかになったことで、クラウドへの移行が加速しました。
技術系調査会社のガートナーは、今回のパンデミックにより大小の企業でクラウドへの移行が加速していることから、クラウド・インフラ市場は今年38.5%、来年30.2%の成長が見込まれるとしています。
ガートナーのVPであるSid Nag氏は、4月の報告書の中で次のように述べています。
昨年の出来事により、CIOはミッションクリティカルなワークロードをオンプレミスからクラウドに移行することへの抵抗感を克服することができた。
コンテナ化、仮想化、エッジコンピューティングなどの新技術が主流となり、クラウドへの支出が増加している。つまり、パンデミックはCIOのクラウドへの関心を高める要因となったのだ。
先週ピークを迎えた6月期の決算では、各社のクラウド関連の業績が好調であったことから、このような予測が的中し、さらにはそれを上回る結果となりました。
マイクロソフトのアジュール部門の売上高は51%増加し、アルファベットの売上高は、ベースが小さいながらも54%とさらに高い伸びを示しました。
市場をリードするアマゾンは、電子商取引の売上が減速していることを受けて決算後に売られましたが、AWSクラウド部門の成長率は37%と、第1四半期の成長率よりも5%ポイント上昇しました。
このように大きな成果を上げているにもかかわらず、多くの人は、クラウドによる変革はまだ比較的初期の段階にあると考えています。
3社ともに驚異的な成長と収益性の向上を達成しており、今後10年間、クラウド・インフラ市場は3社にとって高成長と高収益の「夢のような」組み合わせになるはずです。
そしてもちろん、3社とも非常に素晴らしいコアビジネスも持っています。
アマゾンとマイクロソフトは、コロナが復活するような事態になれば特に恩恵を受けるでしょう。なぜなら、人々は再びアマゾンの大手eコマーサイトに集まり、WindowsベースのラップトップやXboxコンソールを購入するからです。
アルファベットは、本業に影響が出るかもしれませんが、同社の2020年の減速は短期間で終わりました。
ワクチンが本格的に展開される前であっても、下半期になると広告主がグーグル検索やYouTubeに集まってきたため、アルファベットの広告ベースの売上は年後半には非常な勢いで増えていきました。
この3社は、クラウドの追い風を受けるとともに、ディフェンシブなビジネスモデルを持っており、コロナの変種が今後どうなるかに関わらず、受ける影響は軽微と考えられます。
株価は高額ですが、決して割高ではないため、新規購入や買い増しを行なって、長期的に保有することを考えてもいいかもしれません。