J.P.モルガンがノキアに強気 アップグレード・サイクルに備えよ

  • 2021年7月15日
  • 2021年7月15日
  • BS余話

J.P.モルガンが、フィンランドの通信機器メーカーであるノキア(NOK)を強気に評価しています。

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J.P.モルガンのアナリストであるサンディープ・デシュパンデ氏とヴァルン・ラジャンシ氏は、格付けをニュートラルからオーバーウェイトに、目標株価を5.88ドルから7.80ドルに引き上げました(4.99ユーロから6.50ユーロに引き上げ)。

これは、7月13日にノキアがガイダンスの引き上げを計画したことを受けたもので、アナリストは「モバイルネットワークの粗利益率のアップサイドに牽引された、アップグレードサイクルの始まりに過ぎない」可能性が高いと述べています。

また、「投資家は今後12ヶ月間続くであろうアップグレードサイクルに備えて、新たに設定した6.5ユーロの目標株価から30%のアップサイドを想定したポジションをとるべきだ」とも両氏は述べています。

J.P.モルガンのアップグレードは、先月のゴールドマン・サックスによる強気の評価、5月のモルガン・スタンレーによるアップグレードに続くものです。

ノキアの社長兼CEOであるペッカ・ルンドマーク氏は、昨年10月、事業を合理化し、5G分野でリードするために「必要なことは何でもする」という計画を発表しました。

これは、2020年のガイダンスの引き下げとともに行われたもので、北米の大口顧客を失ったことが原因とされています(ベライゾンとの契約をサムスンに奪われた)。

同社は3月、5Gへの投資を強化する目的で、6億ユーロのコスト削減プログラムを発表しました。

J.P.モルガンのアナリストは、ベライゾンの損失は「予想に十二分に反映されている」と述べ、Dell’Oro Groupのアナリストによると、モバイル通信システムの一部である無線アクセスネットワーク市場が10.5%成長すると予想される中、ノキア・モバイルネットワークスの21年度の売上は6億2600万ユーロ減少するというのが現在のコンセンサスであると指摘しています。

また、中国へのエクスポージャーが限られていることから、ノキアの成長率は市場成長率の半分程度(すなわち、21年度は10.5%)と見られており、現在のコンセンサス予想である97億7300万ユーロに対し、推定年間売上高は108億700万ユーロになると思われます。

「このことは、現在のコンセンサスが売上高の損失を過大評価していることを示しており、この損失は低いところで6億ユーロ、高いところで8億ユーロになると考えている」とアナリストは述べています。

両氏は、2024年に向けてノキアのモバイルネットワーク事業の粗利益率が好転するための2つの可能なシナリオを示しました。

米国外での利益に基づいて売上高が2019年の水準に戻ることを想定し、粗利益率はひとつのケースでは40%、もうひとつの最良のケースでは44%となり、ライバルのエリクソンと並ぶことになります。これらのシナリオでは、1株当たりの利益はそれぞれ0.46ユーロと0.56ユーロとなります。

J.P.モルガンは、2021 年と 2022 年の予想を 2.2%上方修正し、通期の粗利益率の予想を若干上方修正しました。これは、2021年と2022年の比較可能な利払い前税引前利益(Ebit)の予想を22.3%と21.3%アップさせたことになります。

ここ数カ月、個人投資家やRedditユーザーの間で人気を博しているノキアのADRは、今年これまでに52%の上昇を記録しており、すでに2013年以来の年間パフォーマンスを記録しています。

同社は、7月29日に2021年第2四半期および半期の決算を発表する予定です。

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