バロンズ選定 2021年トップCEOリスト(8)

バロンズ選定 2021年トップCEOリスト」に選ばれたCEOの略歴紹介、その8回目です。

イーロン・マスク Elon Musk

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テスラ CEO since 2008

その一挙手一頭足が話題となるイーロン・マスク氏。本業以外のことで世間を賑わせることも多いのですが、テスラの株価は過去12カ月で200%以上上昇しており、同社は世界で最も価値のある自動車メーカーとなっています。

さらに、マスク氏が経営する宇宙開発企業スペースXは、現在、世界で5番目に価値のある航空宇宙・防衛関連企業となっています。スペースXの価値は、国際宇宙ステーションに多くの宇宙飛行士を送り込み、地球低軌道に多くのスターリンク衛星を投入することで高まっています。スペースXは、宇宙を利用した高速インターネットを全世界に提供することを計画しています。

テスラとマスク氏(50歳)には批判的な意見もあります。株式をカバーしているアナリストの25%以上が「売り」と評価し、S&P500指数銘柄の平均的な「売り」比率約7%を大きく上回っています。

それでも、アナリストによるテスラ株の平均目標株価は、過去1年間で約360%上昇しています。弱気派でさえも、テスラが自動車産業を破壊し、数千億ドルの価値があることを認めているようです。マスク氏がその主な理由であることは多くの人が認めるところです。

サティア・ナデラ Satya Nadella

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マイクロソフト CEO since 2014

2014年、マイクロソフト史上3人目のCEOにサティア・ナデラ氏が就任した日、ソフトウェア大手の同社の株価は1%下落しました。一部の投資家は、当時フォード・モーターのCEOだったアラン・ムラーリー氏や、元ノキアのCEOだったスティーブン・エロップ氏など、他の有力候補者の中から選ばれるのではないかと期待していました。しかし、その期待は見事に裏切られました。

先週、マイクロソフトの時価総額が初めて2兆ドルを突破しました。株価は今年に入って20%上昇し、スティーブ・バルマー氏の後を継いでナデラ氏がトップに就任してからは700%以上も上昇しています。つまり、現在のマイクロソフトの価値の90%近くは、ナデラ氏のリーダーシップによって生み出されたものであり、歴代の企業リーダーの中でも、最も価値を生み出している人物の一人と言えます。

53歳のナデラ氏は、クラウドファーストのソフトウェア戦略に舵を切り、パブリッククラウドのAzure事業と、Officeやその他のアプリケーションのクラウド版を飛躍的に拡大しました。その結果、46年の歴史を持つ同社は驚異的な成長を遂げています。3月期の売上高は、19%増の417億ドルに達しました。マイクロソフトは、PCビジネスで大きな利益を得ていますが、ナデラ氏はソフトウェアの未来がクラウドにあることを早くから理解していました。このビジョンは、投資家に配当をもたらし続けています。

ブライアン・ニコル Brian Niccol

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チポトレ・メキシカン・グリル CEO since 2018

ブライアン・ニコル氏(47歳)がチポトレ・メキシカン・グリルのCEOに就任した2018年、クイックサービスのメキシカンチェーンは、自社製品に関連した食品由来の病気が何度も発生し、品質管理の問題に悩まされていました。

1年後、問題は修正され、利益は過去最高となり、株価は反発しました。そしてそのあと、多くのレストランに致命的な打撃を与えたコロナが登場しました。しかし、チポトレは違いました。同社は、パンデミック時に急増したデジタル注文に対応するため、刷新されたオンラインシステムを使用しました。

今年、チポトレは好調に推移しています。第1四半期の既存店売上高は17.2%増で、第2四半期の既存店売上高は20%台後半から30%台の伸びを見込んでいます。

同社は、人件費の高騰を理由に、メニュー全体で約4%の値上げを行いました。また、6月末までに新規および既存の従業員に平均15ドルの時給を支払い、2021年には2万人の従業員を雇用する予定にしています。

ニコル氏は今年、200店舗をオープンする予定です。また、より多くのデジタル機能、メニューの革新、2100万人に達した急成長中のリワード・プログラムに投資していると、最近のカンファレンスで述べています。

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